平山へ年に1.2回ほど訪れて、数日間過ごしまた、次の場所へと出発していくとある旅人がいらっしゃいます。

73歳にして、自分で改良した軽バンで未だに、年間350日ほどを車で寝泊まりして旅をしているこのお方。ご自宅は関東にあるのですが、家で過ごすことはほとんどないんだとか。少しの時間お話を伺いました。

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みんなが迎えてくれることが何よりもうれしい

20代から、もうかれこれ半世紀ほどそういった旅をされているその叔父様。北は北海道、南は沖縄まで津々浦々旅をする中で、おのずと色んな場所で顔見知りができ、同じ様な仲間ができ、そうしてそれが楽しくて楽しくて未だに旅がやめられない。目を輝かせてそう教えてくださった。

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平山では、風の窯(陶芸施設) http://karatuya.blog49.fc2.com/

を拠点に1週間ほど滞在されるのだが、風の窯の五十嵐さんも山形出身の移住者。独特の大らかな方なので、すぐ受け入れてくださった。そこへ、おせっかいやきの近所のおばちゃん等が加わって、差し入れなり、余計なお世話なり、話し相手には事困らず、その温かさにいつも感謝しかないそう。

その場所への恩返し

私が一番感じるのは、やはりその方がいつも気が付いたところを綺麗にしていくこと。

『そうそう!気が付いていたけどなかなか手が回らなかった場所!』

そう言わずにはおれない所を、毎回綺麗にしていってくれます。

『お世話になったから。。。感謝の気持ちを込めて。』

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いつもそう言いながら、黙々と丁寧に色んな場所の手入れをしてくださいます。様々な道具を持参して、時には剪定ばさみやバリカンをもって庭師に。時にはグラインダーを使って棟梁に。男からしたら、夢の詰まった車内から出てくる数々のアイテム。次あそこへ行くときはコレを持っていって綺麗にしよう。そんな事を考えて旅をされているんだなと、感じ取れる程に取り揃えられた道具達。

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「感謝」

感謝はどちらが先かは別として、感謝で返ってきます。感謝なくして人との関係は成り立ちません。とくに田舎では顕著にそれが出てきてしまう。感謝することで感謝される。その関係が人との繋がりをより強いモノへと変えていき、その場所への想いもまた変わってくる。それを体感的にわかっているからこそ、感謝という言葉とともに自分のできることを行動して気持ちよくその場所で過ごす。そういった関係構築を全国で愚直にやっているからこそ、『ただいま~』と帰ってこれるし、『お帰り~』と受け入れらるんだなと思いました。

どこへ行っても同じ

田舎とは、基本閉鎖的でありコミュニティーが小さいため、人間関係の比重は都会と比べて実は大きい。ゆっくりスローライフや子育てという感覚も、思っていたのと違ったという事は本当に多い。

けれど、それをその地域が悪い、田舎が悪いとなるのも些か違和感を覚える。先にも伝えたように、地域や住民はその地域の「体」であり、そこへ移住してくる方は「異物」なのである。拒否反応が出るのか出ないのかは、どちらも心持ち次第。

田舎の風景や雰囲気が心地よく感じるから好き

ここに住みたい、ここで子育てをしたい

そこには、何百年もかけて作られてきた、その地域を守ってきた人々へのリスペクトの気持ちをしっかりと持つこと。受け入れる地域は、その場所を好きになって来てくれた人。『感謝』と、異物ではなく栄養だという気持ち。そういった関係性を築いていくことの大切さを、その男性から感じたのでした。

その方のブログ
【外部リンク】空の旅人 http://jitugennni.exblog.jp/

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この記事を書いた人

ほっと平山門田さん

【プロフィール】ほっと平山 門田隆稔

香美市土佐山田町出身で、18歳から役者をやったりしながら県外を転々とし、24歳で帰郷。3人の子を持つ父ちゃんです。『地域交流施設 ほっと平山』の施設長として、宿泊施設を運営しながら、中山間地域の現状と、これからの課題に奮闘中。 好きなことはめんどくさい事。好きなジブリキャラクターは『カンタ(大垣勘太)』です。

WEBサイト:ほっと平山 http://hot-hirayama.jp/

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