独特の味と香りのニラ。
代表的な料理と言えば「レバニラ炒め」や「餃子」でしょうか。
想像するだけで元気が出そうなスタミナ食材。
ニラの生産は全国で行われていますが、高知県は出荷量15,400トン、都道府県別はシェアが25.84%。
2位の栃木県が9,970トン(16.73%)なので、ダントツ1位。(2017年度実績)
その中でも、香美地区は高知県内の1/5以上を生産しておりナンバーワン。
その日本一のニラを探ってみたいと思います。(^^)/
ニラの歴史は古く、古事記にも「加美良」という名前で出てきます。
香美市の地名にも「韮生」(にろう)という文字があることから、昔から人々の身近にあった野菜であると思われます。
香美地区で本格的な園芸作物としての栽培は昭和33年(1958)、香南市野市町で始まりました。
その後、昭和38年(1963)に香美市土佐山田町に広まってから徐々に周辺の地域に拡大。
昭和44年(1969)頃の簡易パイプハウス導入で栽培面積が急増していきました。
その60年を超える歴史の中で、なぜ香美地区は日本一になれたのか。
高知県のニラは肉厚でやわらかく、香りが強いことが特長です。
それは他県に比べ一年を通じて太陽いっぱいの温暖な気候と、日本有数の降水量から豊かな水が注がれ、肥沃な土壌の恩恵があることは間違いありません。
その中で、香美地区各地域のニラ生産者部会では、よりおいしいものを研究してきました。
この部会は平成16年(2004)に旧町村の組織を一本化し、JAとさかみニラ部会として発足。
香美地区では最も大きな生産者グループとして活動しています。
土づくりを第一に考え、有機肥料を利用し深く耕すことで商品価値を高め、収穫後は商品価値が下がる折れ葉、変色葉を除去するといった手間を惜しまず、消費者に喜ばれる安定した品質を提供できる仕組みを整えてきました。
さらに、出荷作業後はトラックに積み込むまで冷蔵庫で予冷を行い品質管理。
小袋包装では高知県独自の鮮度保持技術である「パーシャルシール包装」を導入して、とことん鮮度保持を実現。なので、消費者のお手元でも食欲をそそる香りとシャキシャキの食感をお楽みいただくことができます。
現在の生産者は180戸、作付面積85.9ha。
露地栽培とハウス栽培を組み合わせ、かつ作付時期をずらし、一年中安定して市場に出荷できるよう調整。
主に関西、中京方面に一年中出荷されています。
平成15年(2003)からは一束ごとに商品管理番号・氏名付きで出荷することで「消費者のお手元まで届くトレーサビリティの明確化」を実践。
この生産者一人ひとりが責任を持って品質を守る姿勢も高く評価され、香美地区のニラは全国的なブランドとなっています。
はるか昔から食べられてきたのは、健康にも良かったからではないでしょうか。
その証拠に、ニラ特有の香りは硫化アリルの一種アリシンという物質であることが判明しており、これはビタミンB1の吸収を助け、疲労回復や滋養強壮に効果があります。
またアリシンは免疫力を高め、がん予防、血行促進、冷え性や動脈改善、血栓の予防に有効です。
他にも、たくさんのβカロテンが含まれています。
このβカロテンの効能は、抗発ガン作用、免疫増強、髪の健康維持、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持にも役立っています。
さらにビタミンCは、βカロテンと共に活性酸素を減らし老化の防止、ビタミンEは強い抗酸化作用で、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
健康にいいということは、お肌にもいいことがいっぱい。
葉酸、モリブデンといった成分は、ホルモンバランスの調整や脂肪燃焼サポートといった効能まであります。
保存方法は、開封前ならそのまま、開封後は湿らせた新聞紙に包みラップをかけ、冷蔵庫の野菜室で保存してください。
使いやすい長さに切って冷凍保存も可能ですが、できるだけ新鮮なものをおいしく食べてもらいたいなぁ、と思います。
食欲をそそる香りとシャキシャキの食感。
温暖な気候のもと、お日さまをたっぷり浴びたニラをお楽しみください。
この日本一のニラを作ってみませんか?
とさかみのニラ生産面積は一戸当り30a程度ですが、1haを超える大規模な生産者や農業法人等もあります。
まずは短期間ニラ農家に泊まり、ニラ農業を体験してもらう企画があります。
詳しくはお問い合わせくださいませ。
監修:JA高知県 香美地区 香美営農経済センター
<参考資料>
JA高知県 農畜産物−野菜−ニラ
独立行政法人 農畜産業振興機構 産地紹介 高知県香美市・香南市(にら)
NPOいなかみ