今夏、ニューオープンし、照明や音の演出、プロジェクションマッピング等により、話題を集めている龍河洞。

龍河洞は日本三大鍾乳洞の1つ。(他の2つは山口県の秋芳洞と岩手県の龍泉洞)
昭和9年(1934)に国の天然記念物および国の史跡に指定され、平成19年(2007)には日本の地質百選に選定。

香美市で指折りの観光地ですが、物見遊山のただの観光地ではありません。

その魅力をご紹介したいと思います。

玉簾の滝

龍河洞が他の鍾乳洞より特徴的なのは「神の壺」に代表されるように弥生時代の人が鍾乳洞で生活していた痕跡や土器がたくさん見つかっていること。

昭和33年(1958)の遺跡調査資料には、見つかった内容や場所から、次のような生活をしていたのではないかと記されています。

主な出入り口は今の出口にあたるところ。
そこから下るように3つの部屋があったようです。

1つ目が10m四方ぐらいの部屋で日光も入り、出土品からも弥生人たちは大部分をこの部屋で過ごしていたと考えられるとのこと。

2つ目は南北7.5m、東西6.5m。石を積み重ねて炉を設け、棚状になったところに大型の弥生式土器が多数あったことより物置場と炊事場とを兼ねて使用。

3つ目は南北15m、東西7.5mで、「神の壷」があたかも岩の間より流出する水を受けるように置かれていることや、石灰岩の凹みから獣骨・貝殻などが発見されたことから、調理室として使用されたと考えられるそうです。

神の壺

弥生といえば紀元前10世紀頃から紀元後3世紀中頃までにあたる時代の話。

土佐史談会の方は「龍河洞の生活の痕跡は紀元前後の境目あたりの年代ではないか」と言われていました。
ということは約2000年前。よくこれだけの史跡が残っていたものです。

実は龍河洞が世に知られるようになったのは、昭和6年(1931)に当時の中学校教諭2名による調査のおかげ。
それまでは地元の人しか知らない、ただの穴に過ぎませんでした。

さらに、この調査の時点では部屋の入り口にあたるところが山腹より落下したと思われる石灰岩塊によって閉鎖されていたそうで、しっかりと2000年間保存されていたということです。

龍河洞-洞内-天降石3

そもそも、鍾乳洞は石灰岩が地表水、地下水などによって侵食されてできた洞窟のことで石灰岩の地層にあります。

四国は中心部を東西に伸びる中央構造線があり、それに沿って地質帯が明瞭な帯のような配列になっています。
その配列の南側にある秩父累帯には中生代の化石が多く見られる地域があり、そこでは石灰質を持つ化石からなる純度の高い石灰石が大量に取れます。

中でも代表的な場所が、龍河洞付近、南国市稲生付近、須崎市北方の虚空蔵山・勝森・蟠蛇ヶ森付近。
なので、その近辺には龍河洞以外にも次のような洞窟遺跡もあります。

  • 佐古鬼力岩屋洞穴遺跡(香美市野市町)
  • 中内石灰洞(南国市白木谷)
  • 菖蒲初平力岩屋及び菖蒲洞(高知市土佐山)
  • 虎杖野城台石灰洞遺跡(高岡郡佐川町)、

鍾乳洞の総延長約4キロメートルの内、約1キロメートルが通常ルート。別に冒険コースもあります。
その大部分に見られるのが鍾乳石。

その伸びる速さは、天井からぶら下がるつらら石が100年以上で1cm、天井に向かって伸びる石筍はその3倍の時間がかかると言われています。

洞内には弥生式土器が鍾乳石と一体化した「神の壷」があり、その長い年月を感じざるを得ません。
そして、その隣には昭和12年(1937)に実験のため置かれた壷があり、こちらも段々と一体化してきました。

龍河洞-洞内-サボテンの丘1

2000年の昔にタイムスリップしたようなロマンあふれる龍河洞。

今年は洞内の設備を一新。
最新鋭の照明・音響技術を駆使したプロジェクションマッピングでは、太古と近未来が融合した異空間をお楽しみいただけるようになっています。

今まで行ったことの無い方も、しばらく行っていないなぁ、という方も、一度お出かけくださいませ。

入り口

なお、龍河洞では年中数々のイベントがありますが、秋にはハロウィンに合わせて楽しい企画があります。

メイクでお化けの仲間入りをしたら洞窟へ。専用バスケットを持っていろいろなところを回ってみてください。お化けからもお菓子を貰えるかもしれません。

~ Hellow!In龍河洞2019~ ”Wizarding Cave”

日時:2019年10月26日(土)〜27日(日) 11:00~16:00

P.S.

当センター北側の山も石灰質で「奴田の三宝洞」と言われる洞窟があり、以前入ったときには昭和の中頃と思われるデザインのオレンジジュースの空き缶(スチール製)が転がっていました。

未来の人がこれを見つけた時、どうなっているでしょう。
もしかすると鍾乳石に取り込まれているかもしれません。

参考文献
龍河洞 発行:財団法人龍河洞保存会
四国はどのようにしてできたか 著者:鈴木堯士

NPOいなかみ

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