おめでたい新年はおめでたい「フラフ」の話から。
春先から端午の節句まで、こいのぼりと一緒に大空にはためく大きな旗。子どもたちの成長を願って上げる「フラフ」は高知県伝統的特産品。この工房は香美市土佐山田町に3軒あり、ここだけで県内シェアの4割を作っています。
フラフの語源は諸説あり、オランダ語(VLAG)や英語(FLAG)の発音が土佐流に訛ったものというのが一番良く聞く話。中には土佐の誇る幕末の英雄ジョン万次郎が帰国した際「アメリカにはフラッグっちゅう大きな旗があるぜよ」と言ったところから、フラフが始まったとかいう説も。(^ ^; まあ、確かにフラフの歴史は明治に始まることは確かなようですが…
よく外で見かける大きなものは縦3.3m✕横4.5mもあって、なんと畳約10畳。どこから見ても素晴らしい絵柄。ということは、両面どちらから見ても同じように見える染めの技術や生地の織り方、青空に広がった時に鮮やかに見える配色など、1枚1枚にすばらしい技術が詰まっています。
近頃は、お節句の祝い方も多様化し、フラフの世界も大空に舞うものだけではなく、室内で立てるものやタペストリー型など、手軽に扱えるものも出てきました。
最近ニュースになったフラフといえば「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の公開を記念して製作された「スペシャル大旗フラフ」。高知在住の方は香南市のヤ・シィパークとJR高知駅前の「こうち旅広場」、関東在住の方は東京の有楽町にある高知県アンテナショップ「まるごと高知」で、2月末までご覧いただけます。
なお、使用後はきちんと洗って保管するといいそうですが、大きなものなので一般家庭では難しいかもしれません。作っていただいた染め工場に相談してみてください。大きなものでも数千円で水洗いから補修もやってもらえます。
端午の節句に間に合わせるには、名前を入れたり図柄を指定したりするオリジナルのものでも、1月中に依頼すれば間に合うようです。
大空に舞う鯉のぼりとフラフは、子どもにとっても一生の思い出。朝夕の上げ下げは大変かもしれませんが、ぜひ子どもたちの成長を願って、これからも続いていってほしい文化だと思います。