高知県香美市にある高知県立山田高校。

企業CM作りは4年前から普通科1年生が地域課題探究で取り組んでおり、今回は香美市内21の企業・団体で職場体験と取材をしたもの。

それぞれの特徴やウリが1分間の映像に凝縮されており、画像編集には高知工科大生も協力しています。

専門家からは「企業、顧客双方に共通するニーズを捉えたCMぞろい」「ふるさと愛にあふれている」と高く評価。
このすべてがインターネットでどなたでもご覧いただけます。

ここをクリック ⇒ https://www.youtube.com/channel/UCcJB2Gdg7G9ulCzBjUH4bbA/playlists

ご自身で検索される方は、次のとおりお進みください。
Youtube(ユーチューブ)⇒高知県立山田高校 検索⇒山田高校のペンギンと定規マークをクリック⇒再生リスト⇒2019年度CM制作

山田高校授業2

この授業の背景にあるのは、自ら課題を見つけ、解決する力を育む「探究型」の教育。

これは新学習指導要領でも重視されていますが、香美市がこの教育を始めたのは20年以上前の1997年。
当時の小学校長(現香美市教育長)が「学ぶことは楽しいことと知ってほしい」と課題探究型の授業を導入。
同年に高知工科大学が開学すると、市内に幼稚園から小中高、大学、特別支援校が揃い、香美市全体で教育関係者が「学園都市」の特長を生かした街づくりを模索し始めました。

その後一気に加速したのが2014年、新任の山田高校長が行政と地元商工会と連携を深め、生徒の探究的な取り組みが活発になりました。

山田高校校舎2

その頃の記事に、校長のこんな言葉がありました。

グローバル時代、正解のない時代を生き抜くために、「さまざまな大人に出会う機会」をつくることも校長の仕事。

「自ら考え、創造し、試行錯誤しながら答えを導く力」、「失敗を恐れず何事にも果敢にチャレンジし生き抜く力」や「他者と協働しながら創意工夫をし、新たな価値を生み出す力」など、正解のない時代、グローバル社会に必要とされる能力を育成していくための教育に取り組んでいきたいというのが、私の思いです。

山田高校授業1

山田高校のユニークな取り組みは至るところにあります。

例えば、数々の教育系有名人による特別授業。
「正解でなく納得解」という考え方を広めてきた全国初の民間校長藤原和博氏や、今年は数学者のピーター・フランクル氏が来校。

ピーター氏は講演で「人生を数学的に解いたら『他人は自分の人生の主人公ではない』ことが分かった。あなたの人生、あなたが主人公。自分のしたいことをいつも考えて、時間を上手に使ってほしい。」など、生徒たちの心に残る言葉を語られました。

東京大学と高校をネットでつなぐ「東大金曜特別講座」というものもあります。
昨年の特別講座では、テレビでお馴染みの西崎文子東大教授による「歴史の中のアメリカ外交『トランプ外交』の意味を考える」や「タイムマシンは可能か?原子時計とウラシマ効果」など7講座を全国約40の高校と同時に受講。
興味をもって探究するおもしろさに気づいた生徒もいたと思います。

山田高校展示1

最近は商業科の取り組みも話題満載。

そもそも山田高校は高校生が商品内容や展示、接客などを競う「商い甲子園」の常連校。
第1回の2008年と15年に最優秀を獲得しています。

有名なヒット作「高校三年生の山田まん」は今では高知土産の定番になっていて、この取り組みで「人生が変わった」と話す生徒もいるそうです。

2020年春、高知県内で唯一の「グローバル探究科」が発足。
商業科も起業家育成などをにらみ「ビジネス探究科」と改称。普通科も探究の姿勢を重視した授業を行うことになっています。

山田高校校舎1

今年のオープンスクールで、普通科の生徒が中学生や保護者に対し、次のように語っていました。

山高には、なりたい自分になるチャンスがある。
山高で行われている地域と連携したCM作りや商品開発、米国姉妹校への留学などを通じ、自分の可能性を信じられるようになった。
※山高=ヤマコウ=山田高校の通称・愛称

来年生まれ変わる山田高校のキャッチコピーは「君の知りたいが、未来をつくる」。

山田高校標語

これからも山田高校から目が離せません。

P.S.

山田高校を語る時に外せないキーワード「探究」。
この「探究」とは何かを学ぶシンポジウムがあります。興味ある方はご参加ください。

〜これからの学びシンポジウム in 高知〜

日時及び場所(内容は同じです)

2019年11月22日(金)18:00〜20:10 高知会館
2019年11月23日(土)10:00〜12:10 野市青少年センター

詳しくは、こちらをご覧ください。

NPOいなかみ

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