9月20日の18時30分。下校したあとの学校に子ども達とその保護者、地域住民が集まってきました。その数、約170名。全児童数が150名ほどの学校に児童数を超える数の人達が集まったということになります。それもお祭りや遊びなどではなく、先生の発表を聞くために、です。

香美市香北町にある公立学校初の国際バカロレア(IB)認定校「大宮小学校」で「先生達のエキシビション発表会」が開催されました。それぞれの先生が自身の興味・関心を1つ選び、探究した結果を子ども達や保護者、地域住民に披露するというものでした。

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「メッセージをこめた自己表現は、ロールモデルとして他者に変容をもたらす」

発表会が始まる前に表示されていたこのメッセージ。言葉としては難しく子ども達の心に残っていないのではと感じましたが、発表会後の子ども達の様子を見ると、この言葉はしっかり達成されたのだと実感できるイベントでした。

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先生なのにワクワクする発表テーマ

このエキシビジョンにたくさんの人が集まったのは、発表テーマの面白さがあったからだと思います。そのテーマは

Aチーム:旅行・剣道・バスケットボールの審判・みそ汁・キックボクシング・よさこい

Bチーム:キングダム・グミ・読売ジャイアンツ・Tシャツ・猫・自分の家族」

と、プライベート全快の内容だったのです。

“先生”と言えば、学校で勉強を教える少しお堅い存在をイメージしますが、そんな先生の人間的な部分が見られるとあって、子ども達も保護者も興味津々。どの発表を見に行くかをワクワクしながら選んでいました。

キラキラした先生達と目を輝かせる子ども達

発表はAチームとBチームに分かれて行われ、それぞれのチームが同じ発表を2回行うという構成。なぜこのテーマを選んだのか、好きになったきっかけ、そのテーマの歴史や背景など、先生達の調査結果やテーマに対する想いが詰め込まれた発表となっていました。

(発表の様子)

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毎年やってほしい!子ども達と保護者の感想

発表後、何人かの児童と保護者に感想を聞いてみたところ、口を揃えて「毎年やってほしい!」と興奮気味に話してくれて、他にも次のような声が聞かれました。

・(熱気が凄くて)お祭りみたいですね。とてもよかったです(保護者)

・先生の違う一面が見れた。探究の面白さが分かった。保護者もやったらいいね(保護者)

・先生がこんなことやってるって知らんかった。さすが先生って思った(児童)

・6年生の発表も見たけど先生はもっとテーマが大きくて凄かった。話したいこともいっぱいあって時間超えても話してた(児童)

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なぜ先生達のエキシビジョン発表会を開催したのか?

イベントが終わった後、校長先生になぜこの発表会を企画したのかを聞いてみたところ、以下のような想いを伝えてくれました。

この企画はIBコーディネーターを担う先生の発案で、教員がロールモデルとなることで、子ども達のやる気を引き出したいとの想いで実施した。子ども達にいろいろな表現があることを伝えたかった。保護者や地域の人にもIB教育に関心を持ってもらいたかった。

また、発表した先生にも感想を聞いてみたところ、

・いろいろな表現があることを改めて実感した。
・自分の趣味を別の視点から見ることができた
・やってみて私達も元気をもらえた

といった声を聞くことができました。

子ども達のロールモデルとなった先生達

今回のイベントに参加して一番印象的だったのは「お祭りみたいですね」という保護者さんの言葉でした。それだけ会場に熱気があり、発表する先生達はキラキラしていて、それを聞く子ども達も食い入るように見つめていたのです。そして皆が談笑しながら帰っていく姿は“お祭り”そのものでした。

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加えて、このイベントをボランティアでサポートしていた 保護者IBアンバサダーチーム と 香北・学校と地域もりあげ隊 の皆さんは

「今度は保護者の発表会をやろうと思う!」と意気込んでいました。

「メッセージをこめた自己表現は、ロールモデルとして他者に変容をもたらす」

今回掲げられたこの言葉は、子ども達はもちろんのこと、保護者も変容するきっかけにもなったのではないでしょうか。筆者も自分の趣味を探究し、子ども達に聞いてもらえたらいいなと思った夜の大宮小学校でした。

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