★香美市にゆかりのある素敵な方のご紹介です!

門田 由紀子さん ほっと平山 受付

香美市役所から車で15分。細くくねった道を恐る恐る進んでいくと、急に視界が開け、ダム湖に映える赤い橋と、小高い山のふもとにちょこんと佇む可愛らしい建物が目に飛び込んできました。遊具が残る運動場に車を止めて受付に向かうと、出迎えてくれたのは、ほっと平山名物の美しい受付お姉さん。ホッとする柔和なお人柄とは対照的な、溢れ出るホットな想いを聞かせていただきました。

ほっと平山門田さん2

徐々に湧いて出てきた想い

いなかみ
ほっと平山さんにはちょこちょこお邪魔しているのですが、来る度に、なんだか懐かしくて優しい気持ちになれます。素敵な場所ですよね。もう随分と地域に根付いた感がありますが、そういえばオープンしてどのくらいになりますか? 門田さんはいつからこちらに?

門田さん
平成17年3月までは小学校として使われていて、平成19年7月に地域交流施設としてオープンしました。もともとは義理の母が一人でほとんどの業務をこなしていて、私は少し会計のお手伝いをするくらいだったのですが、2年程前に母が体調を崩したのをきっかけに、私が母の代わりに来るようになって、気が付けば今の立場になっていました。全部で7名のスタッフで運営しています。

いなかみ
へ~、門田さんの働きぶりに、お母様も安心なさったでしょうね。

門田さん
最初は何となくの流れで、特に熱い想いがあったわけではなかったんですが(笑) でも、段々と「せっかくあるこの施設を何とか活かしたい!」って思うようになりましたね。

いなかみ
地域の方とは初めから上手くコミュニケーションとれました?

門田さん
立ち上げ当初に、地域の方から「何やら新しい施設ができたけど、どう利用したらええのかわからん」という声があったので、義母が『ほっと平山通信』っていう地域新聞を作り、今なお継続して発行しております。今月の活動報告、来月の予定、イベント情報、構想中のアイデアなどを内容に、毎月発行して各家庭にお届けしています。

「毎月読むのを楽しみにしゆうよ」って言ってもらえたり、「薪が足りないのですが、お持ちの方いらっしゃいませんか?」って書いたら、「あるから、取りに来いや」って電話くださったり。地域の方とそうやってキャッチボールできるのが嬉しいです。

いなかみ
地域の方とのそういう交流って、いいですね~。利用されるお客様はどんな方が多いですか?

門田さん
県外のお客様だと、アンパンマンミュージアム目的で来られるファミリーの宿泊が多いですね。それから、日ノ御子にクライミングに適した場所があるらしく、愛好家の方がよく来られます。県内だと、子どもさんからご高齢の方まで幅広く、いろんな合宿やイベントでご利用いただいていますね。

地域に火を灯すイベント企画

いなかみ
宿泊施設として以外にも、いろんなイベントの企画運営もされてますよね?

門田さん
そうですね~。特に『ピザ焼き体験』はすごく好評をいただいています。数年前から高知県立大学の学生さんが平山地区の活性化のお手伝いをしてくださっているのですが、その活動の中で、助成金を使ってピザ焼き用の石窯を作ってくださったんです。お試しのつもりで、3ヶ月間のピザ焼き体験キャンペーンをしてみたら、なんと800人くらいのお客様が来てくれたんです。

いなかみ
すごい! 県立大学が地域に入ってくださったのは心強いですね。

門田さん
そうですね。県立大学の学生さんたちのおかげで、しばらく途絶えてしまっていた『地区運動会』や『夏祭り』も復活させることができたんです。イベントを開催すれば地域の方も参加してくれますし、地域の盛り上がりを嬉しそうにしている様子を見ていたら、本当にやってよかったなぁって思います。運動会は、わかる範囲で卒業生の方に案内を送ったんですが、来れない方の中には温かいお手紙をくださる方もいらっしゃって。そのお気持ちがすごく嬉しかったですね。

ほっと平山門田さん1
ほっと平山はこんな場所に。山と水に恵まれた地域です。

いなかみ
なんかいいですねぇ。地区の運動会や夏祭りって、地域ならではの温かい手作り感や懐かしさがあって、そこで地域の一体感が生まれますよね。

門田さん
そうなんです。他にも、県の芸術祭の一環で、楽器作りのワークショップをやったり、映画を上映したり、アートイベントをやったり。最近では県の少子対策課の補助金を活用させてもらって、独身の方を対象にした『婚活予備校』なんてイベントもやりました。いろんなイベントをすることで新聞に取り上げてもらう機会も増えますし、全てほっと平山の宣伝につながるんです。何よりも、企画側の自分たちがすごく楽しくやらせてもらっています。

いなかみ
地域の方も誇らしく思うでしょうね。そういえば、平山地区にはどのくらいの方がお住まいなんですか?

門田さん
だいたい100世帯、200人くらいです。移住された方もいらっしゃるんですよ。定年退職後に、サクラの美しさに魅せられてって。

いなかみ
え、サクラが決めてだったんですか!? なんと、そういう動機で移住される方もいらっしゃるんですね~。

門田さん
春のサクラは本当にきれいですよ! 夏のホタルもすごくきれい。都市部にはない、四季折々の自然の恵がここにはいっぱいです。平山地区に子どもは10人くらいしかいないのですが、ここは素敵なところなんだっていうことを、子どもたちに少しでも心に刻んでもらいたいと思っています。

みんなで楽しく平山を元気に!

いなかみ
立ち上げからすごく順調にやって来られているように感じますが、課題なんかはあるんでしょうか?

門田さん
香美市からいただいている補助金が来年度までしかないので、そこからの運営が課題です。おかげさまで年々利用者数、売上は増えて来ているのですが、自立で運営できるまでは、もう一息です。ただ、ほっと平山は地域交流施設なので、売上ばかり追い求めるのは違うんですよね。平山地区という地域のみなさんの想いで生まれた地域のシンボルなんだという根本は、常に頭に置いておかないといけないと思っています。

いなかみ
なるほど~。地域貢献の部分とビジネスの部分のバランスですね。これからも少子化の影響で廃校になる学校が増えてくると思うのですが、廃校利用の成功のポイントって何だと思われますか?

門田さん
そうですねぇ・・・廃校利用の成功事例として取り上げていただくこともありますが、「何をもって成功とするんだろう?」って、いつも自問自答しています。継続できていることを成功とするのであれば成功事例かもしれませんが、補助金がなければ運営できていないことは謙虚に受け止めないといけないですし。自己満足になっちゃいけないと思いつつ、もっと平山のためにできることがあるんじゃないかって、そんな悩みは尽きません。

いなかみ
最近は、特に地域産業や地域活性化の世界で、「この人だから買う」とか「この人がいるから行く」っていうような価値観が浸透しつつあるように思います。

門田さん
そうそう、よく地域活性化についての勉強会でも「わざわざ山奥の廃校利用施設を選んでやって来る人は、そこにいる“人”に会いに来ている。だから、会いたいと思ってもらえるような“人”にならないといけない」って聞きます。でも、そういう人って、なろうと思ってなれるものでもないので・・・どうやったらなれるんでしょう?(笑)

でも、私が心がけているのが、自分が楽しむということ。自分が楽しまないと、お客様も楽しくないと思うんです。だから、これからもみんなで手を取り合って、楽しみながらやっていきたいですね。

ほっと平山門田さん3
訪れた人を温かく迎えてくれる玄関

いなかみ
門田さんなら大丈夫! もう充分そんな人の雰囲気出てますよ(笑) 今日はこんな癒される場所で素敵なお話聞かせてもらって、すごくほっこりとした気持ちになりました。お忙しい中、どうもありがとうございました!

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