昨今、テレビなどでも話題になっている空き家問題。
国土交通省の資料では、次のような現状が説明されていました。
(2017/2/10社会資本整備審議会配布資料より抜粋)
- 全国の空き家総数は、この20年で1.8倍(448万戸→820万戸)に増加。
- 種類別の内訳は「賃貸用又は売却用の住宅」等を除いた、「その他空き家」(長期不在・取り壊し予定などの住宅)が、この20年で2.1倍(149万戸→318万戸)に増加。
- 全住宅ストックに占める「その他空き家」の割合の全国平均は5.3%。
鹿児島県、高知県、和歌山県は、10%を超えている。
その中で、香美市でも同様に「その他空き家」は年々増えつつあり、現在香美市内で1,400を超える「その他空き家」の戸数が確認されています。
この空き家問題、一般的には防災・防犯・ゴミ・景観悪化等の問題だけがクローズアップされておりますが、見方を変えれば宝の山。
私たちが携わっている移住定住相談の数は、昨今増える一方です。そこで移住希望の方が移住先を決める大きな課題が「住むところ」と「仕事」。
仕事は今の時代、選択肢がたくさんあるのですが、住むところとなると、なかなかイメージに沿う物件に出会うことができません。
そんな問題を解決しようと、香美市では空き家情報登録制度『空き家バンク』を整備しています。これは、空き家の賃貸や売買を希望する所有者から物件情報を提供していただき、市のホームページ等に掲載し、香美市へ移住を希望されている方へ物件情報を一括して提供する市の登録制度で、現在30軒前後の空き家をパソコンやスマホでご覧いただけます。ただ、ほとんどが売買物件で、賃貸物件が少ないのです。
移住希望者としては、いきなり住宅購入となるとさすがにハードルが高く、しばらくは賃貸で住みながら、本当にその地域や住宅は自分に合っているのか、じっくり判断したいところ。
現在香美市への移住は検討するものの住居に出会えず他県や他市に行かれる移住希望の方が、このニーズに合うような物件が多数あれば、香美市に移住していただける確率は間違いなく高くます。
また、住宅物件をお持ちの方にもメリットがあります。
空き家バンクに登録すると、独自の「空き家改修補助金」制度があり、補助金を使って家屋を修繕することができます。そして、締めたままで風が通らない空き家は老朽化も早くなりますので、誰かに住んでもらった方が資産を守ることもできます。
不動産契約には必ず不動産業者に入っていただきますので、契約後のトラブルにも対応します。
空き家を保有している方のみならず、親しい方が空き家を保有していたら、空き家バンクに登録していただけるようご助言いただければ幸いです。
香美市への移住促進のためにも、空き家バンク登録へ、みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
NPOいなかみ