高知県の年間降水量は、都道府県ランキング堂々の1位で3,659㎜。第2位鹿児島県2,834㎜の1.3倍も雨が降っているのに、日照時間が全国2位と、植物にとっては最適の環境にあります。(2010年統計資料より)
「農業やるなら、この環境をおいて他に無い」とまで、ある大学教授は言われておりました。
昨今、都会の生活に疑問を感じ「自分の人生このままでいいのか」と思う方が増え、メディアは「移住」や「空き家」をたくさん取り上げていることもあって、全国的に移住される方が増えている現状にあります。
この春、ユズ生産を生業とする田舎生活を目指している方々に出会いました。
高知のユズは日本一
それもダントツ、全国シェア51%。(2014年農水省統計、収穫量)2位以下は徳島・愛媛・大分・宮崎で、四国だけで全国の8割もあるんです。
多くのユズは果汁を絞ってジュースや酢で販売されますが、一部はそのままの姿でユズ玉として出荷され、料亭などでその香りと色を楽しんでいただいています。
このユズ玉の出荷量は香美市物部地区が県内でもダントツの1位。ということは、日本一、いや世界一 (^^)
物部は昼夜の寒暖差が大きくユズの栽培に適し、全国シェアの高い高知県の中でも最高の品質を誇っているため、物部のユズ玉が市場価格を決めるとも言われています。
このユズ玉の価格は、果汁ものの約3倍、上等品なら10倍にもなります。それだけ貴重な物部のユズ玉なのですが、見方を変えれば、それだけ生産に手間がかかります。
このスペシャルユズ玉生産を目指す挑戦者たち
Wさん(高知市出身)
農家で研修を積み、この春から本格的に自分の農園で栽培開始。
Uさん(高知県芸西村出身)
高知県農業担い手育成センターで研修後、物部の農家で研修中。
来年度、本格的に自分の農園で栽培を開始予定。
Mさんご夫妻(大阪市出身)
昨年より高知県農業担い手育成センターで研修を受け、この春より香美市物部町に移住し農家研修に入る。
来年度以降、本格的に自分の農園で栽培を開始予定。
挑戦者をサポートする強者たち
農業は甘くありません。でも、大丈夫。
地元のJA土佐香美やJA土佐香美青壮年部、柚子生産部会の方々が全面的に技術サポートします。
この日は、この挑戦者たちの研修も兼ねて、地元ユズ生産者の方々が集まりました。
この方々は、JA土佐香美青壮年部長が呼びかけて集まった有志たち。この集まりに賛同する超ベテラン農業者を始め、JA職員や農業行政関係者、そして研修生の面々。
今日のユズ畑は耕作放棄地になっていたものを、このメンバーが昨年5月より復活を目指し、管理を開始したもので、草取りや施肥、剪定などを行ってきました。
今日は誘引という作業を行います。
ユズは3〜4月頃、幹の近くまで日が差し込むように枝を間引き、さらに、柑橘類は枝が直立していると実がなりにくい性質がありますので、横方向へ誘引します。こうすることで花が付きやすくなり、日光も良く当たり、作業もしやすくなります。
しかし、温州みかんのように真横にすると、そこから縦の枝が伸びてしまいますので、角度もテクニックが必要。
誘引方向を決め、杭を打ち込み、枝を固定。引っ張りすぎると枝が割れるので慎重にしないといけません。指導者の細かな解説をもらいながら、作業は進みます。
本日の作業目標は約300本。
ユズにも野生のシカやイノシシ被害もあり、これらと戦いつつ、真夏の管理を経て、今年の秋には、すばらしいユズ玉が収穫できることと思います。
就農ハードルを下げる様々な行政体制や施策
なんといっても、高知県には土の基本からしっかり教えてもらえる「高知県農業担い手育成センター」があります。
ここでは、日帰りから長期研修まで、様々な農業研修が行われており、すべて受講しても、希望する内容に応じて受講しても構いません。
さらに受講費用は実費程度なれど、内容は最先端の技術を余すとこなくすべて教えてもらえます。
農業を始めるには資金が必要
ご安心ください。高知県ではしっかりと、資金面もサポートさせていただきます。
就農関係の支援を一部ご紹介すると…
- 研修受け入れ農家等のもとで実践研修を行う研修生に対して研修手当月額12〜15万円を最長2年間支援など
- 就農後の支援農業経営を開始される方へ、月額12万5千円を最長5年間支援など
- 他にも、就農や施設整備に対する融資制度もあります。
なお、品目によって、市町村で得意分野があります。
香美市では、ニラ、小ねぎ、オオバ、青ネギ、ユズの5品目のサポート体制を産地提案書としてまとめてご案内しております。
これをご覧いただければ、就農までの流れがわかりやすいと思います。
これから農業を考えようと思った方へ
こんなイベントがあります。ここでとことん聞いてみてください。
こうちアグリスクール
高知会場 5/26・27、2/23・24
大阪会場 10/27、11/10・17、2/7・8
東京会場 8/25、9/8・22、1/24・25
こうちアグリ体験合宿
6/15〜17、10/19〜21、12/7〜9、3/1〜3
他にも、高知暮らしフェア(大阪・名古屋・横浜・東京)、新・農業人フェア(大阪・東京)、産地提案型農業ツアー(高知県内)等があります。
詳しくは、お気軽にお問い合わせください。
高知県新規就農相談センター
Tel:088-824-8555
E-mail:39syuunousoudan@nca.or.jp
高知県立農業担い手育成センター
Tel:0880-24-0007
E-mail:aftc2014@ken.pref.kochi.lg.jp
フェイスブックでも情報発信中(^^)/
取材協力
NPOいなかみ