香美市に関わる魅力的な人を紹介する連載記事として「かみめぐり~香美を廻る体験博~」の各プログラムを主催する10人にインタビューを行いました。

 

さくらベーカリー
インタビューに快く応えてくれた明神さん

第5回は、「今日しか作れんが!?純米吟醸の酒粕香るロールパンとクロワッサンを作ろう!」のプログラムを企画されました、“さくらベーカリー”店主の明神充さんにお話を伺いました。

 

地元民に愛されるパン屋さん

さくらベーカリー
今年25周年を迎えるさくらベーカリー
さくらベーカリー
可愛らしい看板がお出迎え

100%国産小麦と天然酵母という材料で作る安心安全のパンは地元民に愛され続け、さくらベーカリーは今年25周年を迎えます。

今回のかみめぐりプログラムは、酒粕を使用したロールパンとクロワッサンで、お店のメニューにはないものだそう。(酒粕食パンはあります)この酒粕は、香美市にある明治10年創業のアリサワ酒造の純米吟醸『文佳人』の酒粕を使用しています。明神さんは香美市にあるお店とタイアップして新しいパンを作ったり、地域の企業と協力しながら、新しいチャレンジを続けられています。

さくらベーカリーは、個人だけでなく、事業者からファンも多いと聞くことがあります。

地元で愛されているのには理由がありました。

さくらベーカリー
店内の様子
さくらベーカリー
店内の様子

さくらベーカリーのパン(特に食パン)は、ずっしりとした重みから満足感のある食べ応え、また、他にはないもちもちの食感と小麦本来の自然な風味が特徴です。それを実現しているのが、天然酵母と国産小麦の組み合わせだとか。

一般的にはストレート発酵といい、イースト菌などを使用し、4時間ほど時間をかけて発酵をさせるそうですが、さくらベーカリーのパンは、発酵に天然酵母(ホシノ天然酵母、白神こだま酵母、自家製酵母)のみを使用し、一晩中ゆっくりと発酵させることによって小麦本来の自然な味が生まれるそうです。

また、さくらベーカリーのこだわりはもうひとつあり・・・パンに使用する食材は“無添加”を厳選。

そして、砂糖、バター、卵不使用のパンでありながら、種類も豊富に揃っているのです。

さくらベーカリー
クロワッサンと玄米パン

写真にあるのはもち麦食パンと、砂糖バター卵不使用のクロワッサン、玄米パン。

さくらベーカリー
もち麦パン

もち麦食パンには高知県産のもち麦が40%使用されており、発酵前に一度蒸しているのでお腹にも優しいとか。

添加物を排除したこだわりのパンを求め、インタビュー中も、次から次へお客さんの足が途絶えませんでした。

 

回り道をしてたどり着いた場所

明神さんは、27歳までIT関係のお仕事をされていました。

「この仕事を続けている自分の未来が描けなかった」と話す明神さんは会社を辞めて、なんとインドに自分探しの旅へ。

“いったい自分は何をすべきか”そんなことを考え、インドを巡り、夜は何百円かで泊まれる安い宿でしのいだそう。

インドを去る最終日。旅行の思い出になればとマハラジャがとまる高級ホテルを予約していた明神さん。夜が明け、美しいガーデンにある朝食会場に案内され、土窯で作られた焼きたてのナンを食べました。

そのナンこそが明神さんの人生を変えるきっかけとなったそうです。

さくらベーカリー
今までの自身のことを話してくれました

 

「なんて美味しいパンなのだろう。焼きたてでこんなに美味しいパンは初めてだ!」と、

その時口にしたナンに衝撃を受けたそうです。

この感動体験を、次は自分が誰かに与えたい。日本に戻ったらこんなに美味しいパンを作ろうと心に決め、帰国後10年ほど京都にあるパン屋さんで厳しい修行をされました。その後、生まれ故郷である香美市に帰ってきてオープンしたのが、現在のさくらベーカリーです。

 

100の考えは1の行動には敵わない

回り道をしてたどり着いた『パン職人』。

前職を辞めた際、人とは違う道を歩む自分を想像すると、当然のことながら不安や焦りがあったと話してくれました。

さくらベーカリー
行動することの大切さを教えてくれた明神さん

 

「不安だからどうしようと、100回頭でいろんなことを考えても、一歩踏み込む行動には敵わない思います。行動を起こしたことで、失敗もするし、落ち込むこともあるかもしれませんが、そこで得られるものや新しい出会いがあったりするのです。行動が人生の豊かさに繋がると思うので、失敗や間違いも人生において何ひとつ無駄ではありません。」と明神さん。

最初の頃は、たくさんの勉強会に足を運び、『食』の大切さに今一度考えさせられたそう。何が体にどのような影響を与えるかなど、たくさん勉強をされたそうです。

安い素材を使用し、添加物によって似たような味に加工された食べ物が当たり前になってきている現代。果たしてそれで本当に良いのかという疑問から『健康を害するパンは作らない』という職人としてのモットーを持つようになりました。

パン作りは、発酵時間や内容量が少し違うだけでも出来上がりが全く異なるものになるそう。

失敗しても、いいものを生み出すために日々試行錯誤をやめなかった明神さん。

さくらベーカリー
家族がモチーフになったほっこりとする看板

そんな明神さんだからこそ話せることなのか「この店に関わってくれている人は本当に素晴らしい人ばかり。周りの人に支えられて今があります。感謝しかありません。」

何より、原点にあったのはずっと側でサポートしてくれた家族や従業員の方に対する感謝の気持ちでした。

 

今後も行動をやめない

さくらベーカリーは今年で創業25周年。感謝の気持ちを形にしようと、北海道から仕入れている小麦のパッケージを使用して、買い物バッグとして数量限定でお客さんに渡すということも企画されています。かわいいパッケージを活かして、ミシンで縫った紙のバッグはとても頑丈でおしゃれな印象でした。(詳しくはさくらベーカリーのインスタグラムをご覧ください。)

 

また、明神さんは、よりたくさんの人に体に良いパンを届けたいと、週2回の移動販売も行なっています。

自分の生まれ育った香美市が少しでも賑わってくれるよう、地元の企業とコラボをしたり、イベントをしたりと、変化しながら行動することをやめない明神さん。

さくらベーカリー
お仕事をされている様子

 

「今後も安心安全で美味しいパンを作り続けていくことが自分の役目だと思っています。その軸を大事にしながら、一見関係のないように見えることでも、自分の直感を大切にし、いろんなアイデアに挑戦していきたい。今ある現状に満足するのではなく、常に新しい目線を持って行動していきます。これからもさくらベーカリーが皆様に愛される店であり続けられるよう精進してまいります。」と話してくれました。

 

『自分が本当に成し遂げたい事は?そのために今自分に何ができるか?』

この問いは誰しもが一度は考えること。難しく考えてしまいがちですが、実は何気ない日常にヒントが隠れているかもしれません。どんなに考えても行動しなくては意味がない。そんなことをこれからは常に意識していきたいと思いました。

 

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さくらベーカリー

住所:香美市土佐山田町百石町1-7-26

電話番号:0887-53-1433

定休日:金曜、土曜日

インスタグラム:@sakurabakery_kochi

https://www.instagram.com/sakurabakery_kochi/

 

【外部リンク】かみめぐり 今日しか作れんが!?純米吟醸の酒粕香るロールパンとクロワッサンを作ろう! https://kamimeguri.com/programs/6170a9e1421aa90001814c3d

 

 

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