NPO法人FUSEとNPO法人いなかみの連携企画「個人事業」をテーマにした連載記事、第 7 回をお届けいたします。

今回は昨年8月8日にオープンしたばかりの古民家カフェ Flat(フラット)。親子で仲良くこのカフェを切り盛りする平山みつるさんにお話をお伺いしました。

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お嫁さんの由実さんと二人で店を切り盛りする平山みつるさん(右)。水曜日はプライベートの日、木曜日は買い出しの日。メリハリをつけて明るく毎日頑張っています。
「お客さんに料理がおいしいと褒められると、嬉しくて、やってて良かったなぁとしみじみと思います」(由実さん)

ここはかなり広い古民家ですが、ここを借りたのはもともとデイサービスをする予定だったんですよ。ところがまだ事業をするまでに至っておらず、現在は東側がケアマネージャーさんたちの事務所となっていますが、こちら側の部屋がちょうど空いていて、お家賃もかかりますし、もったいないということで、お嫁さんと2人でカフェをやってみようかということになったんです。

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アンパンマンミュージアムから北東に歩いて1分。国道沿いに面した畑の向こうにあるこの民家。中に入ると、そこは素敵な和風カフェ。おばあちゃんの家に遊びに来たような気持ちでのんびりできる空間です。初めての方は看板を見逃さないようにしてくださいね。

物件はちょうど、知り合いが持っていた空き家で、たまたまその知り合いに「今度、事業所をするにあたってどこかいい物件はないかしら」と声をかけたのがきっかけで、すんなり貸していただけたんです。前にある畑も全部管理させていただいて、草ぼうぼうだったのを一所懸命手入れしました。今は畑で採れた野菜なども使って料理をしたり、そういうところもちょっとこだわっているんですよ。

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日当たりがよく、ついつい長居したくなるホッとする雰囲気。「おばあちゃんくんに帰ってきたような雰囲気でくつろいでもらえたら嬉しいです」とみつるさん。
店の中にはプチ良心市もあり、工夫もいろいろされています。手作りの梅干しなども並びます。とっても好評だそうです。

初めてづくしの挑戦

実際、カフェをやるのに計画性なんかは全然なくて、いざ始めてみたら、まぁ忙しくてあっという間に現在に至ります。カフェの経営は、親子で初めての試みです。ただ儲けはあまり考えておらず、お客さんがここに集ってくださって、くつろいでくれたらいいなぁという思いでやっているんですね。それが口コミで広がって、少しずついい雰囲気になって来たなぁと感じています。

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カフェの中のアイデアなどは、お嫁さんである由実さんの若い感覚で作っています。今、古民家カフェは流行っていますし、外から見た感じと、家の中に入ってた感じが違っているのも、魅力のひとつです。

事業をするなら地元を大事にすること

このお店には、ちょこちょこ遠くから来てくださるお客さんもいますが、ほとんどは近所の方なんです。香美市で事業を起こしたいなと考えている方にアドバイスがあるとしたら、ぜひ、地元の方を大事にしてほしいですね。つまり「その地域に密着する」ということが大事なんじゃないかなと思うんです。

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将来はデイサービスへの移行も

10年後、20年後も二人で一緒にやっていけると思っていますが、当初の計画であるデイサービスが始まったら、一応カフェは閉店するということになっています。この場所は調理場として使うことになり、カフェスペースはお年寄りの「憩いの場」になっていくと思います。

ただ理想的なのは、ここで利用者さんに畑仕事をしてもらったりしてできるだけ体を動かしてもらいながら、楽しんだりくつろいだりしてもらいつつ、カフェの機能も残して、外部の方と高齢者が交流できれば最高だなと思っています。

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パンやピザが焼ける石窯。その向こうには畑が広がっています。デイサービス施設になっても1日楽しく過ごせそうです。

 

親子でカフェに挑戦して2年目。デイサービスへの移行を視野に入れながらの経営。なんの無理もなく、きっととても良い形でこのカフェは新しい形に移行していくのだろうなぁと感じました。これはきっと平山さんが地域、地元密着型の経営を大切にされているからではないでしょうか。「懐かしいおばあちゃんく」という言葉がぴったりの場所でした。

■cafe Flat

高知県香美市香北町韮生野338
(cafe Flat ~ふらっと~)

【外部リンク】
cafe flat Facebookページ
https://goo.gl/NLYn4h (短縮URL)

【関連リンク】
移住者の小さな起業を応援するプロジェクト「いなか・ラボ」スタート
http://inakami.net/works/inakalabo-11381.html

提供:NPO法人FUSE
企画運営:NPO法人いなかみ

この記事を書いた人

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【プロフィール】

渡辺瑠海 わたなべるみ
ライター、編集者、エッセイスト

放送業界を経て25歳で出版の世界へ。東京でライターとして雑誌企画、書籍制作に携わった後2003年に高知にUターン。書籍、冊子を手がける。著書『田舎暮らしはつらかった』『龍馬語がゆく〜日常をハイに生きる土佐弁』『イヌキー・私とトートバッグ犬の10年』高知新聞連載『はちきん修行記訪ねて候』など。

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