高知県香美市の子育て事情をお伝えする「子育て特集」第7回目の掲載です!

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移住を考えるご家族の中には、子どもを幼稚園に通わせたいという方も一定数いらっしゃいます。それなら一度、現場の声を聞いてみたい!ということで「香美市の幼稚園の取り組み」や、そもそもの「幼稚園と保育園の違い」などについて、開園から40年を越え、なおも成長を続ける「学校法人土佐山田幼稚園 第二土佐山田幼稚園」園長、福留恵子さんにお話しを伺ってきました!

第2土佐山田幼稚園1

第二土佐山田幼稚園園長 福留恵子さん

いなかみ
幼稚園と保育園って何が違うんですか?

福留園長
幼稚園も保育園も、小学校に就学する前の子どもさんが通うところですが、大きな違いは、幼稚園は文部科学省の管轄で、先生は幼稚園教諭免許が必要。保育園は厚生労働省の管轄で、保育士資格が必要だということです。

幼稚園は幼児が初めて出会う学校と言われており、小学校の教育との連続性を大切にし、生活や学習の基礎を、遊びを通して育んでいくところです。それに対して保育園は、保護者の事情によって保育を必要とする場合など、家庭に代わって子どもを保育するところとされています。

また、対象年齢にも違いはありますが、平成27年度から「子ども・子育て支援新制度」が始まったことにより、幼稚園と保育園の両方の良さを合わせ持ち、教育と保育を一体的に行う「認定こども園」も増えてきており、幼稚園と保育園の違いは徐々に少なくなってきています。この制度によって、保護者の働き方と子育ての状況に合わせて、幼稚園・保育園を利用できる場が広がっていくことはとても良いことだと感じています。

学校法人土佐山田幼稚園(土佐山田幼稚園・第二土佐山田幼稚園)は、「認定こども園」ではありませんが、朝と夕方の預かり保育も行っています。朝は7時30分に開園し、夕方は18時30分まで、行事などがない土曜日も13時までお預かりしています。

いなかみ
幼稚園は預かり時間が短いイメージがありましたが、これはとても助かりますね!
では次に、力を入れている取り組みを教えていただけますか?

福留園長
数あそびや英語あそび、体育あそびを取り入れて「遊びが学び」となるような取り組みをしています。世間の声に耳を傾けると「最近の子どもたちは遊びが変わったよね」といいますが、実際に変わったのは子どもではなく「大人と環境」で、子ども達がいろいろな体験をすることができなくなっています。なので園では、遊びという体験を通して学んでもらうことに力をいれています。そして他にももっと体験の機会を増やしてあげられないかと考えています。

あと、少し変わったところでは、一般的な幼稚園さんだと、年少組、年中組、年長組それぞれのお部屋に可愛らしい名前(さくら組とかウサギ組とか)がついていることが多いですが、うちでは創立者の考えで、年少さんを1年、年中さんを2年、年長さんを3年、人数が多くなれば3年A組、3年B組といった感じで、小学校のようなお部屋の呼び方をしていますね。

第2土佐山田幼稚園2

いなかみ
体験するって本当にいろんな学びがありますよね。お部屋の呼び方も大人っぽくて面白い!
今も様々な取り組みをされてますが、これからもっと力を入れたいことなどはありますか?

福留園長
「教職員の資質向上」ですね。今の先生たちは研修や学びに行く時間が減ってしまっているので、もっと先生達の時間を作ってあげたいです。ただ、なかなか簡単にはいかないところなので教職員には「自分の良いところをみつけて、それを認めて、さらに自分の弱いところ(苦手なところ)をみつけること、気づくことが大切」だと伝えるようにしています。

いなかみ
次の質問になりますが、幼稚園における「保護者の役割」はどんなものがあるんですか?

福留園長
幼稚園には後援会があり、保護者の皆さま全員に後援会活動の役割を担っていただいています。2年前までは、子どもさんが入園して卒園するまでの間、一回は「後援会役員になる」という取り決めがあったのですが、主催事業も多く役員になると負担も大きくなるので「幼稚園の役員はたいへん!!」というイメージが広がっていました。そんな中、ある保護者の方から、「みんなが喜んで後援会活動に参加できるようにしたい!と、毎年保護者全員が何らかの役割をする形にしてはどうか」と、提案があり今の形になりました。

このことについては、何度も話し合い、アンケートで意見を聞いたりもして、みなさんが納得できるように真剣に着実に進めて、新しい形になって2年目が終わろうとしています。全員参加型の後援会活動は毎年何かの役割がくるので「たいへんかなぁ」と思う所もありますが、会を開くとほぼ全員の方が出席してくれて、とても協力的で保護者間の関わりも密になっているように感じています。

いなかみ
いい形ですね。そんな園に通う子どもたちの「自慢したいところ」はどこですか?

福留園長
とっても明るいところ、笑顔、素直で人懐っこいところ、すべて!

いなかみ
園長先生、最高の笑顔です(笑)これは言わずもがなでしたね。

福留園長
すべての子が素直になんでも表現できるわけではないので、私たち先生は子どもたち一人ひとりの心をみてあげることを大切にしています。

いなかみ
では、子どもたちに一番伝えたいことはなんですか?

福留園長
終業式などでいつも『一つしかない命を大切に』と伝えています。自分だけでなく、友達や家族を大切にすることも大事です、と。園の教育方針が「いのちゆたかに」でして、自分の命、友達の命、家族の命、他の誰かの命も等しく豊かに幸せであること。当たり前にそう思える世の中になってほしい。そんな想いを伝えています。

第2土佐山田幼稚園3

スタッフまとめ

「幼稚園は短い時間しか預かってもらえなくて、行っても勉強ばっかりするんじゃないの?」と勝手なイメージを持っていましたが、実際にお話を伺うと、預かってくれる時間も長く、子ども達一人ひとりをしっかり見てくれて、遊びの中に学びがあるという取り組みをされていて、幼稚園のイメージが大きく変わりました。

また、個人的な印象ですが、第二土佐山田幼稚園は、何か一つに力を入れているというよりは、その日に起こることすべてに力をいれているんだなぁと感じました。

現在57歳の福留園長先生。昔はやりたいことがなかなか実現できず苦しんだこともあったそうですが、50歳くらいの時に「自分自身の気持ちや想いに気づき目標を持つこと!意識を変えて苦手から逃げない!自分が変われば周りも変わる!」と自身の方向性を見つけ、それを実行したら全てがうまくいきはじめたと教えてくれました。

「幼稚園の良さをもっと伝えたい!」と力強く言ってくれた福留園長。園庭開放の日もありますので、ぜひ一度お子さんと一緒に「土佐山田幼稚園」「第二土佐山田幼稚園」を訪ねてみてください!

■土佐山田幼稚園
香美市土佐山田町秦山町1丁目48-3
TEL:0887-52-5711 FAX:0887-52-5753

■第二土佐山田幼稚園
香美市土佐山田町旭町2丁目6-12
TEL:0887-53-4797 FAX:0887-53-4718

【外部リンク】
・学校法人土佐山田幼稚園
http://tosayamada-youchien.net/index.html

 

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