全国各地に山村留学ありますよね。
なんとなくぼんやりとイメージしてた山村留学ですが、お聞きしてみたら「へぇー!」の連続でした。
田舎の小さな学校にわざわざ親元を離れて入学する経緯は一体どんなものなのか、また山村留学の魅力は?たまたまお話する機会のあった山村留学生のお母さんから聞いたケースをご紹介します。
お話を聞いたのは、高知県香美市の香美市立大栃中学校二年生に娘さんが留学している水島さん。お会いしてすぐ打ち解けてしまうような元気で気さくなお母さんです。
山村留学は誰がどんなふうに決めたの?
山村留学は娘さんが言い出したことだそうです。
二人のお兄ちゃんがいる娘さん。お兄ちゃんは習い事を色々していたそうですが、娘さんは特に習い事をしていなかったので、なにかしたいと自分で調べ始めて行き着いたのが山村留学。小学5、6年生2年間の愛媛県砥部町への山村留学に始まり、中学では高知県の大川村ふるさと留学と香美市物部町の山村留学を検討。結果として香美市物部町の大栃中学に留学を決めました。
小学生のお子さんが自分でやりたいこと考えて、親元を離れる山村留学を選ぶ。その積極性と自立心に驚いてしまいました。また、中学校でも山村留学を希望していることから、小学生での山村留学が楽しく充実していたことが伺われます。
大栃中学を選んだ決め手は何だったのでしょう
魅力①吹奏楽部が選べる
お子さんが大栃中学を選んだ決め手としてお母さんが一番にあげてくれたのが吹奏楽部が選べるところ。山村留学を実施している中学校の中でも人数の必要な吹奏楽部のあるところは他にないんだそうです。(卓球部やバドミントン部が多いそうです)
お話を聞いた日も、娘さんは吹奏楽部の大会に参加のため香美市香北町にある香北中学校と合同チームで練習中とのことでした。実はお母さんが夏休み中に香美市に滞在しているのも娘さんの部活の送迎が必要だったからとのこと。中学生の娘さんの部活の様子が見れるなんて嬉しいと喜んでおられました。
魅力②子どもの部活が見られる。
因みに「部活が見られて嬉しい」という声は地元民には目からウロコ。中学生の部活の様子、特に大会などを親が応援しているのは高知県民には日常です。
というのも東西に広ーい高知県、公共交通機関が隅々まで発達しているとはお世辞にも言えず、大人たちはほとんど車で移動。子どもは結構な距離を自転車で移動してしまいます。しかし、部活の試合などは遠方で行われることも多く、親が車で送迎することが当たり前。よって、そのまま観戦することも多く部活の現場に親がいることは割と見慣れた風景となっています。
魅力③子どもが大切にされている
大栃中学校では先生方が子どもを名字でなく名前で呼んでくれて、大切にかわいがってもらっているのが感じられるそうです。また、大きな学校では校長先生とお話する機会はあまりありませんが、大栃中学では校長先生をはじめとしてどの先生も子どもたちに声をかけて目配りをしてくれているそうで、温かな家庭的な様子が見て取れるそうです。親として我が子が大切にされているのが見えるのは何よりうれしいことですよね。
魅力④成績が上がった!
これは娘さんが頑張ったのが一番でしょうが、とにかく成績が上がったそうです。しかも、地元の中学に通っている子どもたちは学校、部活、塾と大忙しの日々を送っているところ、娘さんは学校に通って、部活を頑張って塾にはいかずに成績が上がったんだそうです。小人数の学校の強みでしょうか。先生方に大切にされて思う存分頑張れている証拠かもしれません。
今年、中学二年生の娘さん。これからの進路は?
高校は地元の高校を受験することに決めている娘さん。3年生になったら受験のために地元の中学に戻るそうです。現在大栃中学2年生には4人の山村留学生が在籍していますが、そのうち二人は受験のため地元に帰り、一人は卒業まで残る予定、一人は現在未定とのこと。
大栃中学での1年間。娘さんが良い経験だったと思ってくれたら香美市民としてこんなにうれしいことはありません。地元に戻ってもがんばってくださいね。
終わりに
今回たまたまお母さんとゆっくりお話をする機会がありました。大栃中学に山村留学生がいることは知っていても、なかなか親御さんの目から見てどんな感じなのか聞くことはないので、このお話を記事にしてもいいですかとお願いしたところ、「ぜひ大栃中学の山村留学の魅力を伝えて下さい。」と快くお返事をいただきました。大栃中学を応援したい気持ちから快諾くださったそうです。お子さんが元気に頑張っている姿を見るのは親の一番の喜びだと思います。お母さんからもお子さんの様子を嬉しく見守っているのが伝わってきてお話を聞いている私も嬉しくなったことでした。
追記
お母さんからお話を聞いて後日、ご家族が揃ったところでもう一度お話する機会がありました。
(この前日には香美市物部村で行われた奥物部湖水祭にご家族で参加。お母さんはPTAの出店にスタッフとして参加していたのだそうです。)湖水祭の過去記事はこちらをクリック。
砥部町山村留学時の同級生とは交流が続いていて、この夏も砥部町で集まったそうです。オンラインで集まる機会もあるとか。
物部の同級生とも同窓会が続きそうですか?と聞くと、娘さんから「みんなで湖水祭に来たら会えるね。」との声。お母さんも「全国に友だちができて、山村留学をしていなかったら出会うはずがないのに不思議な縁ですね。」とおっしゃっていました。
この記事を読んで高知県香美市物部町の大栃中学山村留学に興味を持ってくださったら大栃中学のHPや香美市のHPを覗いてみて下さい。
(記事作成:NPO法人いなかみ)