田舎への移住が実現し、地域行事もできるだけ協力しよう!と思っていても、いざ目の前にくると「え?」と思ってしまう可能性があるもの。それが「自治会費」です。(地域によって部落費や町内会費など、名称は様々)あまり表にでてくることのない支出ですが、移住を考える方は知っておいた方がよい支出です。

田舎の風景
※画像はイメージです。

入会金と会費の存在

これは住む地域によって異なりますが、最初に「入会金」として3万円必要な地域もあれば、無料の地域もあります。それに加えて「会費」として月1,000円ほどの地域もあれば、月300円ほどの地域もあります。地域差は結構大きいですが、田舎の集落で暮らす上では、必須の支出と考えてください。

アタマをよぎる損得勘定

会費がいるよ、と言われて「え?」と思う一番の原因。それは損得勘定だと感じています。自分は地域のお祭りや草刈りなども積極的に参加しようと思っている!なのにお金まで払わされるの!?お金払って疲れる作業もやらなければいけないっておかしくない!?

多くの人の「え?」には、そんな本音があるように感じます。いくら家賃が安いと言っても、最初に入会金3万円です、と言われて気持ちよくお金を出せる人は少ないと思います。ただ、そうやって自治会費を集めることには、当然理由があります。どうしても感じてしまう「え?」の感情を軽減するためには「なぜそれが必要か?」を知っておくことが大切です。

主な会費の用途

地域で集めたお金は何に使われているのか。その多くは「ハード整備」のようです。道路の補修、街路灯の整備といった安全面のハード整備、また、道路の草刈りや神社の補修といった文化・景観面でのハード整備。これが大半を占めていると聞きました。

道路の補修と言われると、それって行政の仕事じゃん!と思われがちですが、田舎には行政が管理していない道路もあり、必要があれば自分達の手で直しているようです。そのため、収支も赤字か、よくてトントンとのこと。

(※自治会は地域によって異なるため、どの自治会も同じという訳ではありません。)

何を大切にし、何を選択するか

このように、田舎では出てきた課題は自分達で解決する、そのために資金も皆からあつめる、というのが基本理念になっています。昨今、ネットで増えた来たクラウドファンディング(※ネットを通して不特定多数から寄付を募るもの)の原型とも言えそうな話です。

こうした支出や共同作業が嫌だ、損だ、と感じる人であれば、都市で暮らすという選択が向いていると思います。実際に田舎が嫌で都市に出た人はたくさんいますし、今でも多いです。ただ反対に、そうした田舎ならではの景観や文化に惚れた!という人も増えてきていますので、その惚れた文化を守り維持していくことも生活の一部だ!と捉えて田舎暮らしを選択していけば、その地域に受け入れられ、気持ちよく生活していくことができそうです。

ルールは変えることもできる

もちろん、その集落での暮らしに疑問を感じることがあれば、自治会に入りそれを主張することで変えられる可能性もあります。実際、昔は無償で行っていた草刈りを、作業してくれた人に日当として還元するようにした地域もあります。地域のためであれば、時代に合わせてルールが変わるのは必然だと思います。

損か得か、白か黒かだけではなく、どうすべきかを自分達で考え、昔からあるものと新しいものをうまく掛け合わせて、新しい田舎暮らしのスタイルをつくっていけたらいいですね。

【関連リンク】
田舎の人はなぜ草刈りや地域行事への参加を迫るのか?
http://inakami.net/immigrant/kusakari-1009.html

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