あの「星祭り」は地域の人が本当に喜んでくれた!
猪野々地区の活性化に取り組む西川史郎さんが嬉しそうな笑顔でそう話してくれました。

猪野々地区の景観
猪野々地区。手前にある藁葺き屋根は吉井勇が暮らした渓鬼荘。

旧暦の送り火(七夕)の日、猪野々地区で「星祭り」という小さなお祭りが開かれました。毎年開催している地域のお祭りだったけれど、今年は歌人・吉井勇が猪野々に来て80周年という記念の年であったことから、吉井勇記念館・館長が地区外にも呼びかけて大きくやりたいと提案。記念館がバスを出し、婦人会が田舎料理をこしらえ、おもてなしの準備を整えて参加を呼びかけた結果、予定していた50人を大きく上回る約70人が、この星祭りに参加してくれたとのことでした。

「猪野々がこんなに賑わったのは久しぶり!」
「やっぱり人が来てくれたらえぃねぇ!」
「来年も力を入れてやらないかん!」

たかがイベント。たかが70人。そう言ってしまえばそれまでですが、地域住民の喜びを実感し、地域のために活性化は必要だと感じさせたこの70人は、地域の未来につながる宝物のような存在に思えました。

吉井勇と猪野々地区

「命短し恋せよ乙女」このフレーズは聞いたことがあるけど、誰の何の言葉かは知らない、という若い世代は多いと思います。これは大正時代に流行した歌謡曲「ゴンドラの唄」の歌詞であり、最近ではHALCALIがカバーし、ライオン「クリニカ」のCMとして使われたことで有名です。そのゴンドラの唄の歌詞を書いたのが、伯爵歌人と讃えられ、明治~昭和の文芸界で活躍した吉井勇です。そしてその吉井勇が隠棲していたのが猪野々なんです。

でも、なぜ伯爵であった吉井勇がこんな山奥に?と思って調べてみると、、どうも昼ドラのような愛憎劇があり、失意のうちにたどり着いたようです。伯爵も一人の人間ですね。

…それはともかくとして、吉井勇がこの土地に隠棲したのは、日本の滝百選にも選ばれた「轟の滝」を代表とする豊かな自然、地域の美しい景観、そして何より、親しみを持って接してくれた地域住民の人柄が大きかったと言われています。

そして現在。猪野々を訪問すると、豊かな自然、美しい景観、暖かい人柄、その全てがしっかり引き継がれていると実感できました。秋の「轟の滝」は紅葉の名所でもあります。

【マップ】香美市香北町猪野々


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猪野々地区の現状

猪野々の人口は120人程で、その多くが高齢者の一人暮らし。もちろん現役世代もいるのですが、その多くが農業や建築業といった仕事をしているため十分な時間がとれず、地域の草刈りやお祭りなどの行事に参加するのが精一杯。活性化を一緒に考えて実践するといった時間をとれる人がほとんど居ないという現実があるそうです。

「だから移住者に来てもらいたい想いは強い。活性化に一緒に取り組んでほしい。」
「でもやはりそれはこちらの想いだから、無理強いしてはいけない。来てもらえるだけでありがたいこと。」

そんな地域の現状に対する西川さんの言葉は、その人柄をあらわすものでした。

nisikawa
猪野々地区の活性化に取り組む西川さん

猪野々地区にある3つの面白さ

西川さんから猪野々のお話を聞いていると、猪野々には仕事がないから移住者に来てもらうのは難しいのではないか、という不安がどうしても先に立っていました。しかしそれを差し引いても、西川さんが紹介してくれた猪野々を見つめると、魅力的な素材がたくさんあると感じることができました。そこでいなかみライフが感じた猪野々のおもしろさを3つにまとめてご紹介してみます。

(1)継承されている地域の風習

地域にある神賀神社の大祭を行うときの話。まず半月程前に地域総出で草刈りを行ってお祭りに備え、お祭りの前日には地区の班長が集まって、神社に泊まりこんで雑魚寝する。神様を迎えるために身を清めるためだそうです(お通夜という)。そして当日、神社の神輿を担ぐ人もまた、お祓いをしてから担ぐのがしきたり。前日に泊まる班長からは「11月だから寒いし歳もいったからしんどい」と本音も漏れるそうですが、それでも毎年の恒例行事として、代々続けられてきているそうです。

神賀神社への入り口
神賀神社への入り口
(2)地域の協力体制

集落総出でお祭りに備えるだけあって、何かあるときの団結力はすごい。以前、猪野々で卒業論文を書きたいと泊まり込みで来た大学生チームが居たそうで、その子達に対して、食事は婦人部がサポートし、活性化チームが集落を案内し、宿泊は公民館を開放。ただ公民館には風呂がないからどうしようと悩んだ結果、以前掘り当てて未活用となっていた温泉にブルーシートで囲いをつけて入ってもらうなど、あるものを活かして、できる限りのおもてなしをしてあげたそうです。

これは大学生も喜んだでしょうね~。

(3)文化的な素材と農作物

猪野々地区の景観は専門家の目から見ても文化的な価値があると言われており、その景観を愛した吉井勇の歌碑も地域に複数設置されています。また、綺麗な水と山ならではの気温差から、おいしいお米がとれたり、新しくシイタケの原木栽培にチャレンジするなど、農作物にも可能性が感じられます。また、そんな素材を活かしてお祭り等で披露している田舎料理のレシピなども魅力的。周辺地域に踊りのグループがたくさん存在するという話も面白そうです。

不安はある。けど希望もある。

西川さんは「自分達は頭が固くなっているから、若い発想で生まれた企画とタイアップしたい」と謙虚な姿勢で想いを伝えてくれました。そんな想いが通じたのか、猪野々地区に1組だけいる若い移住者の方から、猪野々にミュージシャンを招いてライブをやりたいという嬉しい声が上がったそうです。12月の開催に向けて、大急ぎで準備をしているとのこと。

猪野々と住民と移住者と活性化。 ゆっくりと、でも確実に動き始めています。

上から見おろした猪野々地区
上から見おろした猪野々地区

 

猪野々地区に関心を持っていただけましたら
ぜひ 「お問い合わせ」 から、いなかみライフへご一報ください。

【追記】

■11月12日時点で、香美市の空き家バンクに猪野々の空き家が2件登録されています。
香美市「空き家バンク」はこちら
(香美市のWEBサイトにリンクします)

■香美市お試し移住体験住宅から猪野々地区までは車で15~20分ほどの距離です。
香美市お試し移住体験住宅の紹介記事はこちら

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