香美市の山間部に位置する神池地区で「大蛇伝説」が言い伝えられる池「女池」。その表面を覆っていた氷を砕き、泥をかき分けるという壮大な作戦(?)の後に捕獲したミジンコ。そのお姿を拝見しようと、ミジンコ研究の大学院生 浦安くんと共に高知工科大学まで戻ってきたいなかみライフなのでした。

 

■ミジンコ捕獲作戦を繰り広げた「前編」はコチラ
http://inakami.net/enjoy/meikemijinko-1264.html

 

(浦安くん)
ではさっそく、獲ってきたミジンコを顕微鏡で見てみましょう!

(いなかみ)
わーい♪早く早く。

(浦安くん)
う~ん…やっぱり泥が多いですね。 あ、これは珪藻の仲間ですね。

珪藻の仲間

(いなかみ)

どれどれ。お~、ほんとや!すごいすごい。よく見える!

ひょっとこの黒いツブツブが泥?

(浦安くん)

はい、そうです。

(いなかみ)

これ見たら、獲るとき泥が入らないように!って言ってたの納得やね。確かに入れたらいかんわ~。

(浦安くん)

はい。そうなんですよ。 あ、いましたよ!マルミジンコです!

(いなかみ)
つ、ついにこの時が!ひゃっほ~!

マルミジンコ

(いなかみ)

おぉぉぉぉぉぉ!!!ほんとや!丸い!ちゃんと目がある!!なんかちょっとイメージと違うけど、確かにミジンコや~~~!!!

(浦安くん)

よく知られているミジンコはもうちょっとエビみたいな感じですよね。ミジンコにも結構種類がいるんですよ。

(いなかみ)

うん。種類が多いのは知っちゅうで!宇宙人みたいなミジンコもおるよね!なんか妙にでかいやつ!死ぬまでにアイツを生で見みたいと思いゆう!

(浦安くん)

宇宙人みたいなやつ?ひょっと「ノロ」でしょうか?

(いなかみ)

そう、ノロ!ノロ! 超かっこえいでね!!

(浦安くん)

ノロは発見報告が少ないミジンコですね。

(いなかみ)

さすがノロ!幻のミジンコ!!

(浦安くん)

いや、たぶんどこにでも居るとは思うんです。

(いなかみ)

ありゃ? そうなの?

(浦安くん)

ノロは1cmくらいある大きなミジンコなので、魚に食べられやすかったり、採取しても体がバラバラになったりするので見つけにくいんです。というか、そもそもミジンコの研究者自体が少ないですから、調査がほとんどされていないという現実もあるんですけどね…。

(いなかみ)

なんか後半、哀愁漂うストーリーになってきたね。・・・えっと、聞いていいのかどうかアレやけど、、ミジンコ研究って何か意味あるの?(直球w)

マルミジンコアップ

(浦安くん)

・・・ふふふ。よくぞ聞いてくれました。僕がミジンコの研究をしているのは、一言でいうと温暖化防止のためなんです!池にミジンコが居るということは、ミジンコのエサとなる植物プランクトンがたくさん居るということなんです。その植物プランクトンは光合成をして炭素を固定しますから、そういった生態系豊かな水環境をつくることが、温暖化防止に繋がるのではないか!という考えのもと、研究を進めているんです!

(いなかみ)

おぉ。想像以上にマジメな回答。めっちゃかっこいいやん。

(浦安くん)

川を綺麗にする取り組みはたくさんされていますが、ミジンコがいるような池や湖を綺麗にする取り組みって日本では少ないんですよ。

(いなかみ)

なるほど~。と言うことは、ミジンコがいる神池の女池は、けっこういい感じの池ってことなんやね。

(浦安くん)

えっと、、スミマセン。 かなり汚い池です。

(いなかみ)

なんですと~~!?

(浦安くん)

汚いというと語弊はあるのですが、今回の調査では、マルミジンコとケンミジンコしか確認できませんでした。(※興奮しすぎてケンミジンコの写真は取り忘れていました。ゴメンナサイorz)水質の良い池だと、もっとたくさん種類がいるはずなんです。女池はおそらく肥料などが流れ込んで富栄養化してると思われます。それが生き物の多様性を損ねているようには感じます。ただ、今は女池でレンコンを育てているようなので、そういう視点でみると良いのかもしれません。

(いなかみ)

じゃあ、もし仮に綺麗な池に戻したい!って話がでてきた場合はどうすればいいの?

(浦安くん)

まず水量を増やすことですね。そうすれば植物プランクトンが活発になって光合成を始め、ミジンコのような動物プランクトンも増えてくるはずですから。ただ、綺麗・汚いというのはあくまで水質的な話ですので、そもそも何が綺麗で何が汚いか、なぜそうしたいのか、といった話は、皆さんに考えていただきたいところです。

(いなかみ)

なるほど~。なんか凄く納得。こんな風に、楽しみが学びに繋がって、疑問がでたら自分で考えてみる。そういうのってとても大事よね。香美市に工科大があるってことは、浦安くんみたいに専門性の高い勉強をしてる学生さんがいっぱいおるってこと。そんな人達がこうやって地域にでて、楽しみながら教えてくれるような機会ってもっと増やしたいね。

(浦安くん)

はい。ミジンコや微生物ってどうしてもメジャーな存在ではないので、もっと多くの人に知ってほしいと思っています。

(いなかみ)

そんな生き物の魅力を伝えるような仕組み。考えてみたいね!香美市ミジンコマップでも作って売ろうかな(笑) いや~、今回は本当にありがとう!(自分の趣味に走った感じやったけど)ものすごく面白かったです!ぜひまた連れてってよ!

(浦安くん)

いえいえ、こちらこそ声かけてもらえて嬉しかったです。ぜひまた行きましょう!

 

こうして、女池ミジンコ捕獲大作戦(そんな名前だったか?)は、無事幕を閉じたのでありました。 ちゃんちゃん♪

 

神池地区

標高400メートル程の山間部にある集落で、民間信仰のいざなぎ流や、大蛇伝説、平­家の落人伝説などが残る神秘的な地域。人口減少が進む集落ではあるが、地域活性化の一環として「かかしづくり」に取り組んでおり、集落のあちこちで人間と見間違うようなかかしが設置され、一見すると人口が増えているように見える面白い地域。住民も温かい人が多く、外部の人も快く迎え入れてくれる。


大きな地図で見る

コメントを残す

必須 ※お名前は公開されます。

<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>