香美市地区耕作放棄地活用協議会、通称KUAFUL(Kami Utilization of Abandoned FarmLand)って知ってる?

KUAFL(クワフル)は香美市地区耕作放棄地活用協議会の通称です。この団体は、香美市の食料自給率を向上させることを目指して昨年、地元の農家の呼びかけで発足しました。代表は香美市香北町朴ノ木の黒岩紀代さん。

作業の様子をやなせたかし記念公園から望む。
作業の様子をやなせたかし記念公園から望む。

KUAFLのPR用に看板を作りました

8月8日、KUAFL(クワフル)のメンバーが集まってPR用の看板を作りました。看板を立てる場所は香美市香北町朴ノ木の畑。先日お伝えしたイベント、「無農薬おいもづくり体験で安全食材ゲットと健康づくりの二刀流」の行われた場所です。畑の隣にはやなせたかしさんの墓地公園「やなせたかし記念公園」があります。

この看板作りは、来年のNHK朝ドラ「あんぱん」の効果で訪れた観光客にクワフルの取り組みを知ってもらえたらとの思いから企画されました。

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看板にはそれぞれのメンバーが思い思いにイラストを書き込みました。可愛い看板がR7年の朝ドラ「あんぱん」効果で訪れた観光客の目に留まるといいですね。

KUAFL(香美市地区耕作放棄地活用協議会)の取り組みとは

以前、この畑の植え付けイベントのご紹介でも触れましたが、KUAFLは香美市の耕作放棄地の増加を憂い、食料自給率の低さを心配する地元の有志が立ち上げた任意団体です。

香美市の中でも朴ノ木地区のある香北町は、一見緑あふれる農村という風情の景色。でもよくよく見れば水田の間には耕作されていない休耕地、管理されずに放置された耕作放棄地が散見されます。その数は年々確実に増えていっており、農地の維持だけではなくその農地を潤す大切な水路の維持も難しくなってきているのが現状です。

翻って農家の暮しを見れば、以前は当たり前に作られていた味噌や醤油を作る農家は珍しくなり、商品作物を作っていても自分の家で食べる野菜は買ってきているという話もよく聞きます。何より農業人口は減る一方。

昔は都会でお勤めをして60歳の定年でUターンで帰ってきた息子さんがまだお元気なお父さんに習いながら田んぼや畑を世話していましたが、今では定年後も再雇用でより長く都会で働き、戻って来てもバリバリと農業をやる人は一握り…いけません、愚痴になってしまいました。

地域内食料自給を目指そう!

そんな現状の中、地域内でいざというときのための食料を生産、確保できるしくみを作ろうというのがKUAFLの目標です。

代表の黒岩さんは「有事に備えて」といいます。災害だけではありません。不安定な国際情勢の中、日本への十分な食料の供給が途絶えないとも限りません。

少し前まで当たり前に行われていた稲作を中心に据えた農業、野菜の少量多品目生産、味噌や醤油の自家生産。集落単位での食糧自給。それらを現代版で復活させたい。しかも、どうせやるなら肥料など資材の自給率もあげられて環境負荷も小さい有機栽培で。更に経済的にも安定して。KUAFLの田畑から広がる夢は大きいのです。

 最初の目標は農薬や化学肥料を使わず育てたお米の給食利用

そんな大きな夢の第一歩として取り組むことを決めたのが、農薬や化学肥料を使わず育てたお米を香美市の給食で使ってもらうこと。そのために、今年はお米の試験栽培をしています。

除草剤を使わないために草取りはどうするか、病気や害虫による収量減少のリスクをどの程度価格転嫁するのか。そもそも地域のお米の価格は普通の栽培であっても栽培コストに対してとても適正とは言えない安さです…おっと、いけない!また愚痴になってしまう(>_<)。

とにかくやってみなければ始まらないと、今年は早稲のコシヒカリと中生のヒノヒカリというお米を合わせて3反あまり農薬を使わずに作っています。

もう一つの柱は市民農園

耕作放棄地活用のもう一つの柱は農に触れてもらうこと。そのために香北町吉野に市民農園を整備しています。(利用者募集中です)

畑に触れるきっかけに、KUAFLの市民農園で野菜を作ってみませんか。ベテラン農家の方がわからないことは教えてくれるので安心して家庭菜園を始められます。

現在お米の予約販売をしています

KUAFLでは農地の管理のための費用を賄うために、お米の予約販売をしています。お支払いいただいた代金はお渡しするお米の生産費用の一部として使われます。玄米30キロあたり18,000円。予約販売に限り5キロ単位で対応、希望者にはサービスで精米もしてくれるそうです。お米の引き渡しは10月ごろとなります。いなかみまで電話でお問い合わせくださればご紹介いたします。

KUAFLのこれから

代表の黒岩さんは、「KUAFLの趣旨を理解して、お知恵でも労働力でもなんでもご協力いただける方があればお声掛けいただきたい。」と話されています。こちらもいなかみにご連絡くださればご紹介いたします。

現在 KUAFL ではどうすればこの取り組みが安定的に継続できるか知恵を出し合っている最中です。日本社会の流れに逆行するような取り組みはきっと一筋縄ではいきません。でも少しずつ周りを巻き込んで進みだしたら香美市を変える大きな流れに育つかもしれません。これからもKUAFLのうごきに注目していきたいと思います。

(記事作成:NPO法人いなかみ)

 

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