3月に香美市長選挙があるということで、いなかみライフも立候補予定者の移住に対する考えを聞いてみたいと、公開質問状を作成してみました。ただ、いざやってみると、正直これは大失敗。公職選挙法をよく知らなかったことも1つ要因ですが、それ以上に、公開質問状の性質・選挙の性質を理解していなかったことが大きいと感じています。そんな公開質問状をつくって感じた3つの印象をまとめておきます。
(※これはいなかみライフ編集長の主観であり、各立候補予定者はとても丁寧に対応してくださったことを申し添えます)
公開質問状をつくって感じた3つの印象
1.公開質問状は揚げ足をとるための道具になっている
公開質問状は、その分野に対して立候補予定者の考えを知ることができる貴重な情報源ですが、現実は相手の揚げ足をとるような、ネガティブキャンペーンの道具として使われることが多いのだと感じました。もちろん、様々な意見をぶつけ合うのは大切だし必要なことですが、それはお互いの信頼関係があってはじめて、実りあるものになる。でも選挙という場面ではそうはいきません。
2.公開質問状では本音が書きにくい
上記のようなネガティブキャンペーンの可能性や、限られたスペースでは考えを書ききれないこと、現時点では十分な回答を持っていない(専門外の内容)、などの理由から、公開質問で本音を聞き出すことは難しいと感じました。選挙公約に抽象的なものが多いのも同じ理由かもしれません。また、地方は人の流動が少ない分、地縁・血縁の要素が濃くなっていることも、難しさの要因になっている気がします。
3.いくら中立を保っても利害関係を疑われる可能性
これはNPOという立場だからこそ感じることですが、移住促進などに取り組む場合、必然的に行政と連携し、行政と仕事をする機会が多くなります。委託契約で行政から仕事を受けることもあります。そうなると、公開質問状をつくるといった動きは、選挙後の利益目的と捉えられる可能性もありえます。だからやらない方が無難。選挙には関わらない方がいい。これが定石です。
選挙に対するネガティブな空気
以上の3点が私の感じた印象ですが、、やっぱりなんかおかしいぞと思います。
これらに共通して感じることは、立候補予定者の良し悪しではなく、選挙そのものに対するネガティブな空気です。今回、実際に4名の立候補予定者とお会いしましたが、香美市に対する真剣さ、真摯さは十分なものがありました。若者が直接話をすれば、その想いに共感して、地域をよくしたい!と動き出す可能性も十分あると感じました。でもそこに行く前にある選挙の空気感が、若者から政治を遠ざけている。
選挙、もっと気持ちよくできないものでしょうかね。とりあえず今の私たちにできることは、立候補予定者その人を、しっかり見つめることだと思います。
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