香南市赤岡町から香美市物部町に続く土佐塩の道。
その道中にはお大師様の足跡が残されています。
実際、ここを歩いていた高野山の僧侶の方の話では、お大師様がここを歩いたという文献が高野山に残っているそうです。
まずは、土佐塩の道のほぼ中間地点にある弘法大師修行の岩。
弘法大師が座禅を組み修行を行った時、岩にくぼみができ、そこに雨水が溜まるようになりました。その水をつけると“いびらが治る”と評判になり「いびらの神様」として昔は参拝者が多かったそうです。
“いびら”とは大豆半分くらいのイボができた皮膚病の一種です。
また、弘法大師はそこから少し上がったところに祠(ほこら)を建てることになり、作業を進める中で水がどうしても必要になりました。
そこで、近くの家に行き「少し水を分けていただけませんか」と頼むと、主人は「水が欲しければ下の谷から汲んできたらよかろう、水を分けることはならん」と言ったそうです。
すると弘法大師は、杖で水の湧いているところを、2・3回つんつんとついて穴をあけたところ、湧き水はたちまち吸い込まれて水は涸れてしまいました。
その水が文代安場坂の所に湧き水として出だしたと言われています。
なんだかお大師様が意地悪じいさんのようですが、このような話は人々への戒めや心を正しく導くために、全国各地に残っています。
他にも、土佐塩の道には次のようなお大師様の足跡やゆかりのものがたくさんあります。
- お大師様が山上から転んで来た岩を受け止めた時に手形が付いた「お大師岩」。
- 三又になった葉を財布に入れておくとお金がたまると言われる里見桜公園にある弘法大師ゆかりの「三鈷の松」。
- 石灰岩の切り立つ岩山に祀れている「大師堂」とその近くにある「お大師の丁石」。
などなど
これら数々の史跡をのんびり歩くイベントがあります。
この機会に、土佐塩の道に残る、お大師様の修行跡を歩いてみませんか?
土佐塩の道30kmうぉーく
開催日:3月23日(土)
NPOいなかみ