4年目を迎える「明るい農村」が高知県香美市の山里、白川で今年も開園を迎えました。これを読めばきっと一緒に体験したくなっちゃう、大人も子どもも心が満たされる1日。田植えとサツマイモの植え付け、ジビエカレーなどなど。子どもたちはトトロの傘に大満足。山里が大いに賑わった様子をリポートします。
「明るい農村」待ちに待った開園です!
2025年6月8日。香北町を流れる物部川の北岸、国道の対岸を並行して走る通称「北岸の道」から「その道上がってきたらわかるきね。途中分岐もまっすぐ上がってきて」の言葉を信じて上がっていくと…あ、すぐわかった!
すでに賑やかに人が集まっていました。
「明るい農村」はここ白川で「山間部を明るくする・食を見直す・自給自足・旬を感じる感性を養う・交流を深める・農林業体験を通じて農村の良さを見直すきっかけ作り・農村の文化、歴史の研修」を目的として活動を続けています。
本来は4月に予定されていた開園式。しかし雨により無念の延期となり、今日6月8日が実質的な開園日となりました。本日のメニューは田植え、さつまいもの植え付け、お昼は特製ジビエカレー!すでにスパイシーな香りが漂っています。参加しているのは管理人・五百蔵(いおろい)さんの同級生有志で結成するセブンティーの方々やお子さん連れのご家族など、香美市内外から56人が集まりました。和気あいあいとした雰囲気の中イベントスタートです。
開会式
副会長の岡部さん、管理人の五百蔵さんからの挨拶です。食を通じて中山間地を考えるこの集まりは今年で4年目。昔の元気な集落の姿を再現したいという思いで始まりました。一番身近で一番危うい「食」。楽しみながら体験することで、日常の中でも考えてゆくきっかけにしてゆきたいと感じました。
開会式の終わりには「今日は玉ねぎを持って帰ってよ。これは去年の明るい農村で育てたやつです。ひと家族一袋、忘れんと持って帰ってよ。」と大きくて美味しそうな早生玉ねぎを沢山いただきました。
素足でどろんこ田植え体験!田植え機にも乗せてもらったよ
まずはメインイベントの田植えから。お話を聞いた場所からもう少し上にある田んぼに移動。
素足で田んぼに入ります。柔らかいどろんこの層の下にはしっかりした底があって不思議な感覚。はじめは戸惑う子もいましたがお母さんの手を握って田んぼに入るとじきに慣れてしまいます。みんな手に手に苗を持って横一列に並んで…
ロープに等間隔の印をつけたものに沿って苗を3本づつ手植えしていきます。みんなが植え終わったら声を掛けあってロープを移動させながら後ろ向きに植え進めます。だんだんとみんなの息もあってきてリズミカルに作業が進み。あっという間に植え終わりました。
残りの部分は五百蔵さんが運転する田植え機で植えます。子どもたちは代わる代わる運転席に乗せてもらって嬉しそう。ガチャンコガチャンコと音をさせながら田植え機は進みます。
植え終わったら、どろんこの足で水場まで足を洗いに行きます。お互いホースを持ち合ったり、「まだここについちゅうで」(まだ、ここに(ドロが)ついているよ)と声を掛け合ったり。

さつまいも畑でトトロの傘発見!
みんなが集合場所に戻ってきたら、さつまいも植え。植え付けるときは斜めに茎を差し込むとちょうどよい大きさのお芋がたくさんつくという説明を聞いてから30〜40センチの長さに切ったさつまいものツルを畝に差し込みます。でも、子どもたちは畑の隅っこにある大きな葉っぱが気になって仕方がありません。
「トトロの傘があるで」「ほんまや」。上の画像の右下の大きな葉っぱ。高知県では夏の和物や田舎寿司には欠かせないリュウキュウ(ハスイモ)の葉っぱです。五百蔵さんにおねだりして手に手にトトロの傘を持って大喜び。梅雨の晴れ間にトトロの傘なんて嬉しい思い出ですね。
お話を聞くときはおしりに敷いてソファーみたいです。これは今成長中のスイートコーンのお話を聞いているところ。夏になったらスイートコーンの収穫も楽しみです。
いよいよ、お楽しみパパさんたちのジビエカレー
農作業の後は、お楽しみのランチタイム。朝から良い香りを漂わせていたあのカレー、会員パパ3人が腕を振るって開発した「鹿ジビエカレー」です。
香美市周辺では、農作物を荒らす獣害が深刻。その課題に向き合いつつも捕れた鹿さんをありがたく美味しくいただけるようにと、スパイスとトマトを効かせてながらもミルクで優しく包みこんだ絶妙な味に仕上げた一品。大鍋から湯気とともに立ち上る香り。苦手な人には肉なし、イカ入りと3種類のカレーを準備してくれる心遣い!
ご飯は焚き火と羽釜で炊いて、底の方には香ばしいおこげのついたご飯。新鮮な野菜のサラダも用意されています。
美味しいカレーとサラダたくさんいただきました。感謝。
最後までみんなで手作り明るい農村。
閉会式の後は解散ですが、誰からともなくみんなでお片付け。
挨拶を交わしながらそれぞれのペースでぼちぼち帰路へ。
「明るい農村」に参加して
皆さんの参加のきっかけは様々。五百蔵さんの同級生のつながり、狩猟の仲間、地域のつながり、お友達の声掛けとみんなそれぞれ。移住者の中には香美市への移住前から関わっている方も。つながりがつながりを呼んで集った56人。
ここには農業体験という言葉だけでは表せない素敵な時間がありました。
楽しい発見がある場所。豊かな体験のできる場所。次に来るのが楽しみな場所。誰もが安心してそこにいられる場所。会いたい人にまた会える場所。子どもたちを見守ってくれる人がいる場所。笑顔を交わす仲間がいる場所。明るい農村は言葉では言い表しきれない「明るい」を丸ごと感じられる場所でした。
あなたも「明るい農村」に参加しませんか。
年会費は一家族4,000円です。いなかみまでご連絡くだされば管理人の五百蔵さんにお繋ぎします。
(記事作成:NPO法人いなかみ)