夏休み特別企画「ナトリArt教室」が開催されました

香美市土佐山田町:毎月第一土曜日に開催されている「もりのごはん」
この子ども食堂は月に一回ではありますが、食事の提供を通じて子どもたちの健やかな育ちを支えるだけでなく、保護者や地域の人々が気軽に集える温かい空間となっています。
普段は、栄養バランスのとれた月替わりのカレーをメインに、彩り豊かな副菜や季節の食材を使ったスープなど、丁寧に手づくりされた料理が提供され、多くの親子や地域の人々に喜ばれています。

夏休みアート教室
そんな「もりのごはん」で、今年の夏休み特別イベントとして、8月20日にアート教室が開催されました。
講師を務めたのは、大阪芸術大学卒業で、現在もアート活動を続けながら大人から子ども向けのワークショップも行っている小野川なつこさん。
今回は「ナトリArt教室」と題して、水彩画とオリジナルうちわ作りの二本立てで、子どもたちの創造力を大いに引き出す内容となりました。

アート教室の前半では、水彩画で「お花の絵」を描く時間。机に並んだ絵の具を手に取ると、子どもたちはすぐに夢中になって絵筆を走らせ始めました。それぞれが思い思いの花を自由な色彩と発想で表現していきます。
小野川さんは、描き方を押しつけるのではなく、「どう描きたい?」と子どもたち一人ひとりに寄り添いながら、やさしく声をかけてくれました。
背景にも個性が表れ、空いっぱいの青で埋める子もいれば、忠実に背景を描く子、お気に入りの動物の絵を添える子も。同じ「お花の絵」でも、作品は十人十色。まさに、子どもたちの感性の豊かさと自由さがにじみ出る時間となりました。

後半は、世界に一つだけの「マイうちわ」作りに挑戦。
色水に染めた和紙を、縁側に並べて乾かします。乾いた紙をハサミで切り取り、うちわの骨に貼り付けていきます。うちわ作りの作業になると、教室はしんと静まり、子どもたちは集中した表情で黙々と手を動かしていました。完成したうちわは、色とりどりでカラフルです。
どの子の作品からも、「自分で作った」という誇らしさが伝わってきました。

地域の拠り所として
このイベントを支えたのは、「もりのごはん」の代表・下元さん。
地域で子育てをしている家庭の支えになればと、子ども食堂の運営に加え、さまざまな形で場所を提供しています。
前回はファミリーサポートセンターと連携して子育て支援の場として活用されたこの場所。今回はアート教室という形で子どもたちの感性や表現の場としても生まれ変わりました。下元さんは、「この場所が、子育て中のご家庭や地域の人たちにとって、ちょっと立ち寄ってホッとできるような拠り所になれば嬉しいな。」と語ってくださいました。
今後も、下元さん自身がさまざまな企画を構想中とのことで、地域の子どもや親、地域住民にとって、ますます魅力的な活動の場になっていくことが期待されます。
このような温かくて豊かな取り組みが、私たちの地域にあることをとても心強く思いました。
記事作成:NPO法人いなかみ