香美市土佐山田町を知るために、香美市立山田小学校2年生の子供たちと、町探検に行ってきました。今回は、香美市防災備蓄倉庫を取材する班に同行しました。
山田小学校2年生の子供たちは、2学期の町探検の学習で、1学期の町探検でもっと調べたい、知りたいと思った場所へインタビューに行くことになりました。そこで、気がついたことや発見したことを伝えるための資料を集め、発表します。町探検する場所は・観光案内所・八王子・防災倉庫・松尾酒造です。
今回は少人数でインタビューに行き、タブレットで写真も撮ります。今日に向け質問を子どもたちで考えて、準備していたようです。私が同行した班は「香美市防災備蓄倉庫」へ出発しました。私は担当する班の児童に付き添い、交通指導と見守りをしました。
香美市防災備蓄倉庫は2ヶ所
香美市土佐山田町で育ち、現在も生活している私ですが、防災備蓄倉庫の場所を知りませんでした。倉庫は、子供とよく遊びに行く宝町児童遊園地の目の前にありました。以前から倉庫があるなとは思っていましたが、気に留めていませんでした。もう一つの倉庫は、高知工科大学の近くにあるそうです。
防災備蓄倉庫に到着すると、市役所の担当の松岡さん(以下マツケンさん)が出迎えてくれました。
まず、倉庫を一周します。広い倉庫には、白ご飯やドライカレーなどの食料と飲料水、毛布や簡易トイレ、オムツなどずらっと並んでいました。パーテーションや発電機もあります。子供たちはワクワクしながら、ダンボールのタワーの間の通路を通ります。
防災に興味を持つ
子供たちは順番に質問していきます。「どうして倉庫は大きいの?」「この中ですごい備蓄品はどれですか?」「これは何に使いますか?」次々に質問していきます。
その中に「マツケンさんはどうしてこの仕事をしているのですか?」という質問がありました。マツケンさんは答えてくれました。マツケンさんの本来のお仕事は消防士さんで、香美市の消防署から市役所の防災対策課へ配属になったそうです。そして現在は地震や水害、台風など災害に対するお仕事をされています。以前と違った職場で、新しく覚えることも多く、大変なこともあるようですが、「今日、山田小学校の皆さんが来られたように、防災に興味を持ってもらえたら嬉しい。」とおっしゃっていました。災害の現場をよく熟知している方が、市役所の防災対策課で防災の業務に日々取り組まれていらっしゃる事を、一市民としてとても心強く思いました。
町を知ることで災害に備えことを考える機会に
子供たちは質問を終えると改めて倉庫内を見回り、タブレットで写真も撮り、気になったことがあれば質問をしていました。倉庫内に何が足りないのか。今ある備蓄品は何人分、何日分なのか。色々と考えているうちに、自分の家での備えが大変重要だとわっかたようです。
学校への帰り道、子供と「歯ブラシは無さそうやったき、用意せんとねー。」「着替えはどうする?」「今使っている薬やお菓子は絶対いるねー」と話しながら帰りました。
マツケンさんもおっしゃっていましたが、備蓄倉庫とはいえ土佐山田町、物部町合わせ約2万6千人という人口に対する備蓄を数日間、香美市役所だけで確保するのは難しいです。実際、今日見学に来ている防災倉庫の備蓄を、素人の私が見ても一瞬「何人分?」と考え、何日も持たないと感じました。市民全体で防災に興味を持ち、災害時に備える必要があると感じました。
私がNPO法人いなかみの移住・定住担当になり早1年。この間、「南海トラフ地震のことを考え、香美市へ移住したい。」との相談が実際何件もありました。しかし、香美市に住んでいるから津波は来ないだけで、ライフラインが機能しなくなるのは起こりうることです。ガソリンや食料品、飲料水にも一時は混乱し、困ってしまうことでしょう。
今回、防災倉庫を探検することにより、災害に対する備えを子供と一緒に考える良い機会になりました。
一度に全てを完璧に準備・用意をすることは難しいですが、災害を身近に考え、もしもの時の避難場所・毎日通る道・食料品や飲料水の家庭での確保・トイレや日用品の確保を考え、少しづつ整えて行こうと心に決めました。
(記事作成:NPO法人いなかみ)